おうちに帰ろう

心茲にありと

「そうだ、京都行こう」ということで②

引き続き京都旅2日目。

今日はもう一つの若冲展、相国寺承天閣美術館へ。

前日夕方からめちゃくちゃ快晴になったものの

日付変わったらやはりどんより。台風は関西からには直接影響ないものの

天気予報では午後から大雨とか。念のためレインシューズへ履き替え。

(その後台風は東北に上陸。被害も大きかったですね。)

 

イノダコーヒーのモーニングでお腹を満たし、雨が降る前に行動開始。

 

相国寺は特別拝観時期を外しているので人もほとんどおらず

道路の補修工事を実施している作業員の人たちが働いているのみ。

それでも相国寺の大きさに圧倒され、京都五山に数えられるお寺の威厳を

ひしひしと感じながら開館を待ちました。

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写真では伝わらないかもしれないけど結構デカイのです。

 

今回の承天閣美術館の展示の中心はコロタイプ印刷による「動植綵絵」30幅らしいけど

東京都美術館で開催した狂乱の若冲展で本物を見ているので

さらっと眺める程度で。実際にはかなり精密に再現されていて、製法を見ても

かなり手間のかかるものらしいですね。

 

お目当ては常設展示の 鹿苑寺大書院の障壁画。一之間~四之間と狭屋之間までを

飾った障壁画が一挙展示されています。

部屋に入るとまず右側に月夜芭蕉図、左側に葡萄小禽図、突き当りに葡萄図、

芭蕉爬々鳥図、竹図と並び、反対側に松鶴図、菊鶏図、秋海棠図、双鶏図

と展示されていて圧巻の一言。

元の部屋の間取りと同じように並んでいれば完璧なのですが

それは贅沢というもの。

東京都美術館若冲展でも一部(菊鶏図、芭蕉爬々鳥図、松鶴図、葡萄小禽図がそれぞれ前後期にわかれて2作品ずつ展示)見られましたが

いっぺんに見られるなんて有り難すぎる。

改めて若冲の襖絵、空間が広すぎてヘン。

狩野派の襖絵に比べると白い部分が多すぎて、よくこれでOK出したなーと

感心します。当時の相国寺の大典顕常は大胆な人だったのでしょうかね。

明らかに異端者ですが理解者がいてくれた若冲は幸せ者かもしれません。

 

若冲が手本とした明の林良の鳳凰図と若冲鳳凰図が並んで展示されていて

似てるんだけど、目元の描き方や尾の丸まり方に違いがあり

そっくりにするだけじゃなくてオリジナリティを出してるあたりはニヤリとします。

トレードマークとも言えるハート形の羽も描かれています。

これが常時展示されてるなんて太っ腹。

平日の朝イチだったからかガラガラでほとんど独占状態でした。

眼福眼福。

 

続いていよいよ大徳寺聚光院へ。この頃から雨がぽつぽつ。

聚光院の拝観は予約しておいた方が確実、ということだったので

29日12:40の回を事前に予約。行ってみたらやはり予約なしで入るのは

厳しそうでした。毎回30人程度ずつ入場で1回につき40分程度の鑑賞時間。

係りの人の説明付きです。

写真撮影も不可。

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 荷物も預けて鑑賞せい、とかなり厳重。そういえば金地院も荷物は

ロッカーに預けたわ。やっぱり襖とか大きな荷物がぶつかって

傷がつくとか困るからでしょうかね。

まずは庭園から見学し、一通り説明を受けたあとに御開帳。

どーんとこの写真と同じような光景が広がっていた!

と言いたいところですが、うーん、何だろう、この写真がよく撮れ過ぎている。

実際には真ん中の襖は開かれているし、回りの戸も全部開けてくれるわけではないので

視界いっぱいに絵が広がる!というような感じにはならず。

部屋の中にも入れないので廊下から覗き込むようにして見なければなりません。

正面の障壁画はかなり遠く、グループで一緒に見るので見ている時間も限られます。

前日の手に触れんばかりの距離で見た贅沢を知ってしまったあとに見ると

とにかく遠いなぁ…という印象です。説明も駆け足なのであまり余韻に

浸れず。絵をじっくり見るなら京都博物館に展示されているときに

見た方がいいのかもしれません。ただあるべき場所にある状態で

鑑賞する、ということも大事なのでこれはこれで貴重な機会だったと

思います。事前に読んだ小説「花鳥の夢」では

狩野永徳が父の松栄を見下していた設定になっているので、

見ているこちらも何となく松栄の絵はちんまり

してるな、などと思ってみたり、永徳も全ての絵について魂を込めていた

わけではなかったので、ちょっと斜めに見てしまいますね。

とはいえ、小説の中でも書いた絵がことごとく戦乱に巻き込まれて

焼失しており、この規模で残っている作品がほとんどないので

生で見られることは喜ぶべきこと。文句を言ってはバチが当たりますね。

 

その他にも大徳寺内に拝観可能な塔頭があり、多くは庭園が見応えありそうなので

せっかくなので見て回りました。

大仙院。こちらは方丈と玄関が国宝とかで、やはり撮影不可。

枯山水の庭園は宇宙過ぎて凡人には意味不明なのですが、

方丈内に狩野元信(永徳の祖父)や之信の障壁画があり

こちらは間近で見ることができたので得した気分。

中からは撮影できませんが、玄関の外側をパチリ。

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続いて瑞峯院。こちらはキリシタン大名として名高い大友宗麟が開祖したお寺だそう。

蓬莱式の庭園もさることながら、参道に植えられた待っ過ぐに

伸びた松が印象的。

 

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曲がった松をどんどん落としてまっすぐになるように

剪定しているんだそうな。

方丈前の庭園は蓬莱山式庭園。こじんまりとしていますが

人も少なく雨がそぼ降る庭を廊下に座って眺めるのも

なかなかよかったです。

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方丈裏の庭園は閑眠庭は重森三玲氏の作庭だそう。

キリシタン大名大友宗麟にちなんで石の流れが十字架に

組まれているのが珍しい。直線的なのでモダンな感じがします。

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最後に龍源院。

室町時代禅宗方丈建築としてその遺構を完全に留めている唯一の建築だそう。

方丈もさることながら、こちらは庭園の種類がいろいろあって

どれも素敵でした。

滹沱底(こだてい)という阿吽の石庭。

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手前にもう一つ石があって阿吽になってるんですが見切れちゃいました。

 

砂利ではなく苔がしきつめられている竜吟庭

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方丈前の石庭もユニーク

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あと壺庭という一番小さい石庭もあり。

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晴れていると太陽の光が一条横に入る瞬間が

あるらしいのですが、この日は雨だったので見えませんね。

狭いながらも奥深く吸い込まれそうな不思議な空間でした。

 

大徳寺内を回るだけでも結構な時間が立ち

雨もかなりひどくなってきたところで終了。

 

禅宗のお寺の庭園の奥深さをほんのちょっとだけ知ることがができて

いい時間でした。雨が降っていたのも却ってよかったかも。

 

さて、ここで京都を離れ琵琶湖に向かいます。

夕方に到着したときはほぼ土砂降り。

いったい明日はどうなることやら。