おうちに帰ろう

心茲にありと

2021年まとめ。

2022年になってすでに10日たって今更2021年のまとめって。

 

昨年美術展行った記録をブログに書こうと思っていたのに結局途中で尻すぼみになってしまったので書けなかった分を一つ一つアップするのは怠すぎるのでまとめて並べておく。

 

美術館に行った回数は57回。特別展だけじゃなくてトーハクの総合文化展に行ったりしたのも入ってる。コロナ禍で休館してた時期があったけど2020年に比べたらはるかに行けた。2020年は11回だったから5倍!結果だけ見るとコロナ関係ないじゃんって感じですね。これもひとえに緊急事態宣言下でも感染対策を行いながら開館を行ってくれたおかげです。関係者の皆様には感謝しかありません。本当に気を使うことも多く大変だと思います。ありがとうございます。

 

そしてブログにあげなかった展覧会について一言コメント。

最澄天台宗のすべて

tsumugu.yomiuri.co.jp

 

これめっちゃよくて書こうと思ったけど内容が濃すぎて書けなかった。ここで躓いてこの後行ったものについても書けなくなっちゃったというのはまぁ言い訳なんだが。我が家のお寺は天台宗なんだけど実はよく知らない。最澄さんが何をした人でどうやって広まったのか、とか。最澄から学んだ人たちが広めたルートを見せながら展示されてるのでとてもわかりやすかった。そして途方もないこともわかった。いやーすごかったです。

 

コラボレーション企画展
川端龍子VS高橋龍太郎コレクション
会田誠鴻池朋子天明屋尚山口晃

https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi/exhibition/y2021

初めて行った大田区立龍子美術館。大田区川瀬巴水も住んでいて9月には大田区立郷土博物館で

特別展「川瀬巴水-版画で旅する日本の風景-」

という展覧会を無料で開催してたんですよね。これもブログにアップしてない展覧会。大田区文人村みたいなのもあったようです。川瀬巴水展覧会もよかったですねーほんと。写真も撮り放題だったし。

ということで川端龍子。とにかく大きい絵!という印象がありましたがやっぱり大きかった。そして現代アート作家と一緒に並べるという試みも面白く、私でも知ってる超有名な現代アートの第一人者4名の作品も見られて面白かった。先日ドラマでやってた「山本五十六」の肖像画よかったなぁ。

 

鈴木其一・夏秋渓流図屏風

www.nezu-muse.or.jp

過去に何度か見たことある「夏秋渓流図屏風」最後に見たのは2019年の「奇想の系譜」展でした。
そうだ、奇想の系譜に鈴木其一は入れられてたんだった。

改めて見てもやっぱり変わってる。
対面に師匠の酒井抱一の「青楓朱楓図屏風」が展示されててこちらは金箔を背景に青・赤・緑がバランスよく配置され楓の幹はたらし込みを使い葉はマットに鮮明に描いた対比が美しく渓流の流れもゆったり。とても優美で上品な一品。
一方其一の「夏秋渓流図屏風」を見ると、まず目につくのが檜の木の多さ。
まるで縞模様のように檜が配置されてて渓流を描いた屏風でこんなにたくさん木を描いたものってあんまりない気がする。
描き方もたらし込みではなく檜の描き方の系譜の一番最初に紹介されている狩野常信の「檜の白鷺図」にあるような縦のラインを強調した描き方。
檜はもともと狩野派がよく描いたモチーフだそうで、其一は狩野派からも影響を受けていたのでは?というのを今回の展覧会では投げかけています。
それ以外にも渓流の波の表現は円山応挙の絶筆「保津川図屏風」のダイナミックは表現と共通しているなど、其一が関西方面に写生の旅に出たときに見たかもしれない…?という仮説に基づいて並べて展示。こういう繋がりを見るのも面白い。

私が思う其一は師匠の抱一が存命の間は忠実なる弟子、師匠の作品をよく見て丁寧になぞり師匠以上に緻密に描き、師匠が亡くなってからはマグマが噴火するごとく自分の中に蓄積していたあらゆる絵の技法を尽くして様々な表現に挑戦した人という感じ。
なんというかとても現代的な感覚で見られる。
想像の中の其一は着物姿じゃなくてタートルネックのセーターにめがねをかけた
神経症なところもあるけど人当たりは悪くない、だけど絶対人に踏み込ませない一線がある、というイメージ。妄想。

 

聖徳太子 日出づる処の天子

www.suntory.co.jp

どこを見ても聖徳太子だらけの展覧会でした。タイトル通り。

聖徳太子絵伝だけでも数種類。時代も様々だけどフォーマットとうか描かれる出来事は決まっていて
聖書みたいなもんなのかなーと。今でも聖徳太子信仰の中心的存在の四天王寺では絵堂に展示された絵伝を見ながら僧侶の方が説明してくれるそう。
聖徳太子像も2歳のときの西に向かって「南無仏」と唱えた伝説のある南無仏太子像や16歳のときの父の用明天皇の病気祈願してる姿の孝養(きょうよう)像、摂政になった時の摂政像もそれぞれいろいろなお寺に収蔵されてるものが登場。
無仏太子像はふくふくとしたお顔にちんまりした手を合わせてる姿なんとも可愛くてキーホルダーとかあったら欲しかったなー
描かれてる姿は太子が推古天皇勝鬘経を講義している姿だったりとかパターン化されていてキリスト教で言うところの三位一体図とか東方の三博士みたいなよく知られた姿だったりするのかな。
国宝の「七星剣」はとにかくかっこよくて!北斗七星や雲や龍が描かれてていかにも霊力が宿ってそうな感じ。
武器ではなく儀礼で使うための剣ですね。
今回は四天王寺所蔵の品々がたくさん展示されていたのだけど四天王寺はこれまで7回も焼失しているんだとか。
その度に再興して今も健在なんだけど、日本のように地震や台風が多い土地では
建物をずっと残しておくのって難しいから、建て替えること前提に継承すべきはハードじゃなくてソフトなんだなって思った。
それは昨日ぶらぶら美術館でホテルオークラが老朽化のため新築することになったとき
反対運動が起きたけど当時のロビーラウンジを新築したホテルに完璧に再現してて
こういう形で残すやり方が日本の気候を考えると合ってるんじゃないかな。
伊勢神宮式年遷宮みたいに定期的に新しくするというのは古来からの知恵なんではないかな。余談です。

 

福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧

www.ccma-net.jp

アーティスト福田美蘭千葉市美術館所蔵の作品から選別しインスピレーションを受けて製作した作品と並べて展示。
全て福田さん本人のコメント付きなので作品のテーマだったり元の作品についての解釈だったりがわかるのが面白かった。
現代アートの作品のよいところは作家が存命で直接言葉を聞けることかも。
北斎の作品について想像することはできても実際にどんな気持ちで描いてたかはわからないからね。
新たに制作した作品はコロナ禍の状況や昨年のオリンピックについて思うところを投影させたものが多く芸術には時代を記録し作品に残して後世に伝えていく役割もあるので
個人の好き嫌いはありますが、使命として果たしていくべきなんだろうし
使命とか思わなくても何かしらのメッセージは込めておくものなんだろうなと思った。

 

書く内容にバラつきあるけどとりあえずざざっと書きました。

タイトルが「まとめ」となってるけど全然まとめになってない。

こういうときベスト○○とか選ぶのかもしれないけど選ぶの苦手で。今年はとにかく行きたい美術展になんとか行けたのがよかったかなぁ。

 

美術展はそこそこ行けたけど映画は全然行けなかった。15本。2020年も同じ本数で2019年が46本だったので1/3になっちゃた。公開作が少なかったのもあるけどあんまり行きたいって思うのがなかったというか。行かなくなると情報が入ってこないのでアンテナにもひっかかりにくくなるということもある。今年はもう少し行きたいなぁ。

 

そして舞台。2020年は払戻額を計算したくないほど中止になったけど2021年は払戻し公演は2作品3公演だったので前年に比べればだいぶ回復。行った公演数は24作品61公演。かなり偏りあるしこの回数が多いか少ないかはわからんけど行きたい行きたいと切望していたモリミュ(ミュージカル「憂国のモリアーティOp.3」)に行けただけで大満足。もう2021年は初めてモリミュを見た年として記憶しておく。

 

というわけで雑なまとめ。

 

やっと年が明けるー

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2022年新年最初に撮った写真。快晴の元日。