「舞台PSYCO-PASS サイコパス Virtue and Vice」感想

2019年4月18日(木)~30日(火)日本青年館ホール、5月3日(金)~5月6日(月)大阪森ノ宮ピロティホールで平成と令和を挟んで上演されていた「舞台PSYCO-PASS サイコパス Virtue and Vice」、東京公演と大千秋楽ライブビューイングに参戦してきました。

psycho-pass-stage.com

当初前売りで購入していたチケットは2回分だったのですが公演が近づくにつれて、というか鈴木拡樹さんを知るにつれてもう少し見たいという思いが募りTwitterでの譲渡情報や当日券チャレンジで4回追加、合計6公演を東京で見ることができました。

テレビアニメで2期、劇場版も今年に入って3部作が公開されている人気シリーズの初の舞台化でしたがアニメとは世界観は同じだけれど登場人物は全く別となるスピンオフ的な作品。アニメに詳しくない私でもタイトルは聞いたことあるくらい有名な作品で知り合いにファンの方がいたので少し情報収集し第一期は見ておかないとついていけないと思うよと聞き第一期のみ予習して臨みました。

休憩なしの2時間公演はあっという間。途切れることない緊張感の連続で初回はただ物語を追うのと初(正確には2回目ですけども)生拡樹さんに感激しているうちに終わってしまいました。

見る度に印象が変わり全部終わった今思うことは「シビュラが管理する世界で人間らしく生きることは途方もなく困難で3係のメンバーは死してようやく人間らしさを手に入れた」ということでした。

常守朱監視官と禾生局長(アニメ版キャラ、声のみ登場)の会話の後、3係全員で楽しそうにふざけあってるシルエットが浮かび上がるラストシーンはこの上なく美しい情景ですが叶わぬ夢で終わったところが無情で残酷でした。

ヒューマニストを使い3係を壮大な実験場としたシビュラシステム、そこで行われたことは「監視官不足(途中嘉納監視官のセリフにあった)」を解消するために実際には執行官(潜在犯)だけで公安課の仕事が遂行できるのかということ。シビュラシステムが管理する世界では監視官になりえる人材はどんどん減り潜在犯ばかりになることが予想され潜在犯をいかに使い、そして人間らしさまでもプログラムに組み込んで監視官を作り上げる。3係の彼らの生きた証はデータとして扱われ人間としての尊厳、知性はシステム化しきれない揺らぎを常に生み続ける、それゆえに常に自分に問い続けて行かねばならないということなのだなぁと。

 

こんなにも残酷な結末なお話なのですが出てくる登場人物はとても魅力的。近未来のお話ですがテイストは刑事もの。アニメ版の総監督と舞台の演出を手掛けたのが「踊る大捜査線」シリーズの本広克行さんということもあり湾岸書がそのまま公安局刑事課3係になったような楽しさでした。生身の人間が殴り合うシーンを多く入れたのは舞台ならではの方法で役者の身体の動きや息遣いをリアルに感じることで人間らしさとはというテーマを伝えたかったのかなと思いました。

 

以下各キャラと俳優さんについて(拡樹さんは最後に)

・嘉納火炉監視官(和田琢磨さん)

もうね、最後はこの人にやられました。最初はスマートで優しい監視官という感じで登場し途中で裏切りが判明してからの表情はただただ悲しかった。笑顔が消え目から光が消え慕ってくれる後輩を腕の中で殺し九泉に手を差し伸べるも拒絶されシビュラに呑み込まれ相打ちで果てる。圧倒的孤独を感じただただ泣けました。

 

・蘭具雪也執行官(多和田任益(たわだひでや…読めなかったー)くん)

背が高く舞台映えするし声もよく通り聞き取りやすい。元マンガ家でオタクという設定で仕草とかひとつひとつ拘ってて拡樹さん曰く九泉のお気に入りらしいんですが二人が一緒にいる絵面は身長差とキャラクターの違いが面白かったです。脚を負傷して引き上げろと言われたのに戻らず最後に九泉監視官を庇って撃たれるところは毎度号泣ポイントでした。SNSにたくさん写真をアップしてくれるのも嬉しかった。ありがとうございます。

 

・相田康生執行官(小澤雄太さん)

初めて見る…と思ってたら劇団EXILEの方で実はHIGH&LOWの達磨一家で真っ赤に髪を染めてた方だった!

海好きのサーファー設定で男臭さが魅力。執行官の中で一番人間臭かったかなぁ。昔の刑事ドラマに出てくるイケメン刑事っぽかったです。ジャケットを肩にかけたりライターをいじったりと小道具を使ったキャラ造形が魅力的。生まれた時から潜在犯という話をホログラムの海辺で九泉と交わすシーンは好きでした。九泉が何かと相田に文句を言うのは実は本来の九泉に一番似ている人だったからなのかもしれないと思いました。冒頭からずっと海に行きたいと言ってたセリフが九泉を庇って銃弾を受ける理由(監査官がいないと執行官は海に行けない)だったのにはやられました(泣)

 

・大城奏人執行官(池田純矢くん)

この舞台での一番の収穫でした。動けるし声も通るし繊細な表現から爆発力のある演技まで幅広く表情も豊かでとても引き込まれました。よかったなぁ。調べたら仮面ライダーシリーズにもたくさん出てるしデビュー直後は「花盛りの君たちへ~イケメンパラダイス」にもでてたんですね。自分で脚本・演出もやったりと才気溢れる方なんですね。騙されてても「後悔してないですよ」「ありがとうございます」と火炉さんに言えるってどういうこと?やっぱ愛なんでしょうか。尊すぎました。

・井口匡一郎執行官(中村靖日さん)

映画「運命じゃない人」の主人公役がめちゃくちゃインパクトありました。他にも「ごちそうさん」やいろいろなドラマや映画で脇役でも印象に残るキャラクターをたくさん演じられてますが舞台で拝見するのは初めて。今回もいい味出してたんですが何と一番最初に死んじゃう役という衝撃的な展開にかなりびっくりしました。えええ…やっぱりいい人は最初に死んじゃうんだなぁ…アニメでいうと縢くんみたいな感じですかね(彼が死んだときもかなりショックでしたけど)

そして何といっても日替わりの「中国語の部屋」!ここでの九泉監視官&主任とのやり取りが毎回楽しみでした。最初は鉄仮面のように「どーでもいい!」としか言わなかった九泉さんでしたが途中から完全に笑ってましたね。貴重な九泉監視官の笑顔が見られる時間でした。拡樹さんてアドリブがあってもあんまり笑ったりしない人という印象だったのですがこの場面は九泉と井口の関係性だったら笑うのもあり、ということにしたのかな。実際、この場面で笑うようになってから九泉のキャラというか3係の中での動き方が少し変わってきたような気がします。

公演後のTwitterInstagramの投稿も楽しく大千秋楽後にキャスト一人ひとりに向けたコメントがとても素敵でした。靖日さんがいてくれてよかったなぁ。感謝です。

www.instagram.com

・目白一歩(はじめ)分析官(山崎銀之丞さん)

先日見た「唐版 風の又三郎」で拝見して2回目です。朝ドラ「朝が来た」の炭鉱の親方役が一番記憶にあるかな。今回は分析官なので落ち着いた役どころ。途中「パートナー」というセリフが出てくるのでん?と思ったらパンフレットにゲイの設定と書いてありやはりそういうことかと。アニメでも女性の分析官が女性の執行官と関係を持っていたりするのでそういう役回りなんですかね。この方だけ生き残るというのも何かを示唆しているのかなぁ。パンフレット内の執行官チームの座談会で池田純矢くんは「今回の座組は大人が多くて」と言ってるのに銀之丞さんは「若いお兄ちゃんたちがたくさん」と言っててこれまで経験してきた現場の違いが出てて面白かったですね。銀之丞さんが直前に出てた「風の又三郎」はオーバー60のおじさんたちがキャッキャッしてる座組だったからそりゃ全然違うよなぁ(笑)と思いました。

 

ヒューマニスト三島慎吾(高橋光臣さん)

ドラマでよくお見かけしていましたが舞台は初めて。ドラマではマジメで実直な役で見ることが多いのですが今回はテロ活動を行う過激な思想家の役。名前からしてアニメの槙島を思い出しますがキャラ的にはちょっと違いましたね。堂々として監視官と対峙したときの圧の強さが毎回どんどん強くなり迫力が増していきました。それにつられるように九泉の慟哭も激しくなっていったように見えたし堂々とした三島に跳ね返される九泉が憐れで真実を告げられたあとの子どものように怯えた表情も光臣さんの三島だったからより引き立ったように見えました。カテコでは一転してお茶目な姿で登場しギャップにやられました。

 

ヒューマニスト後藤田希世(町井祥真くん)

名前もお顔も初めて知りました。と思って調べたらこの方もハイローに出てました。WRのメンバーですって…わかりませんでした…すいません。この方は見る度に存在感が増していきましたね。特に途中から物販情報のアドリブをぶっこんでくるようになってから途端に輝きだした(笑)

 最初のアドリブは4/28のマチネでの「トレーディングプロマイドが大盛況」だったかな。どこまでもかっこよかったです。

 

そして最後に九泉晴人監視官の鈴木拡樹さん。

映像で見てきていろいろ想像を巡らせていましたが出てきて最初に驚いたのは声でした。一瞬拡樹さんとわからなくて「え?え?この声??この声がそう??」ってなりました。これまで見た作品でもたいてい第一声に戸惑うんですよ。なんでだろう?そして戸惑っているうちにいきなりの足蹴り!!ひょお!ってなりました。スーツ姿というのも新鮮だったしお行儀悪い感じのアクションも殺陣をずっと見てたから荒々しさにどきどきしました。

初日は動きを追いかけて物語を追うのに精いっぱい。九泉のキャラクターについてあれこれ考えられるようになったは東京公演の最後の方でしたね(遅)というのも表情が少しずつ変わってきたように見えたからなんです。井口パイセンのところで触れましたけど「中国語の部屋」のアドリブで吹き出すようになってから模造記憶を埋め込まれて偽監視官の九泉の仮面が時々外れるようになってきたように思えたんです。最初の頃はシビュラを信奉し執行官との関係性もずっと冷たいままのように見えたんですけど実は舞台以外の場面でも一緒に捜査にあたるときには井口や蘭具に対しては結構素の顔を知らず知らずのうちに出していたのかもしれないというのを見せるようになってきたのかなと。だからこそ井口は最後に爆弾処理に来てくれんじゃないかと思うんですよね。井口の死のあとはその揺らぎが一層大きくなり色相の濁りも激しくなりますがそれに比例(反比例?)するかのように人間らしい感情が表に出始めるのが最後の場面に繋がるのかなぁ。途中、回想場面で母親との会話を思い出すところでスッと表情が模造記憶を埋め込まれる前の顔に一瞬で変わるところは驚きでした。目の表情が全然違うんですよね。レイドジャケットを脱いで表情変わり着るとまた今の九泉の顔になる変化を目の当たりにしたときはひょおぉ…となりました。最後に嘉納と話しながらどんどん表情が晴れ晴れとしてきて刑事としての誇りを取り戻し毅然としてドミネーターを構えると本物の九泉晴人はこういう顔だったのかと思いました。

cocotame.jp

 ↑のインタビューで最初のイメージと180度変わってしまったけど「最初に作っていったイメージも、今回は使わなくても別の場所で生きる可能性がありますし。」と答えてるんですが実は最初の役作りも反映されてるんじゃないかなぁと思いました。

もうちょっと役者鈴木拡樹について語りたいところですがそれは別の機会にします。

 

あとは何より毎回感激したのはカーテンコールでのお姿ですよね。とにかく頭の先からつま先まで神経を行き届かせて観客に魅せることを意識してるんだなとということを強く感じました。それくらい美しかった。九泉晴人を意識したポケットに手を入れたままのお辞儀、手を腰の前に添えてゆっくりと頭を下げる姿、胸に手を当てて王子様スタイルとバリエーションはいろいろありましたが共通しているのはどれも丁寧で心から感謝していることが伝わってくること。表情も柔らかく瞳は輝きこんなに美しい人がいるんだと胸が震えましたね。顔の作りとか見た目とかだけじゃなく滲み出てくるもの全てが美しい。毎回拡樹さんが頭を下げるときに一緒にお辞儀してしまうくらい有難いものを見せて頂いた…という気持ちになりました。

王様のレストラン」というドラマでフレンチのフルコースはデザートの良しあしで料理の満足度が変わるんだ(うろ覚え)というようなセリフがありましたが正にそんな感じ。カテコが極上のデザートのようでした。これが見たくて通ってしまったという面すらあります。ほんとに素敵でした。

 

そんなこんなで平成から令和を「舞台PSYCO-PASS サイコパス Virtue and Vice」で駆け抜けました。楽しかった。続編(みんな死んじゃったけど)、再演でまた彼らに会いたいと切に願っています。

 

 

 

 

 

 

映画「刀剣乱舞」大博覧会伊勢会場行ってきました

GW中に開催されていた伊賀忍者キングダムで開催されていた映画「刀剣乱舞」大博覧会に行ってきました。

www.ise-jokamachi.jp

 

実際に撮影にも使われていた通常入ることができない安土城天守閣にも入れるということでロケ地探訪みたいなことはこれまであまり熱心に行ったことないのですがこの後黄金の間は非公開になるらしく滅多にないチャンスと思い行ってきました。

(実際の撮影風景は↓のメイキングにも映っています)

 

youtu.be

 

せっかく安土城に行くのだからとその前に同じくロケ地に使われた松坂城跡にも立ち寄りました。ロケポイントを親切にマップで提示してくれてるので助かりました。歴史民俗資料館にはサイン入りの脚本や撮影時の写真なども展示されてました。

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提示されてるロケポイントマップ

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撮影箇所にも「HERE!」のボード。助かりました。立派な石垣!

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こちらにも

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出演者のサイン入り台本

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こちらは民俗資料館の外観。元々はここを本丸として使いたかったそうなんですが窓枠を外すことができないため泣く泣く諦めたとか。実際の本丸はこのあと訪れる大博覧会会場で

朝早かったですがぽつぽつと審神者らしき方々もいらっしゃり連休を利用して各地を回ってる方々多いのかもしれませんね。松坂城の石垣はお城マニアにも有名らしいのですが全く知識のない私が見ても立派だなぁと思うほど見事なもものでした。民俗資料館は入場料80円です。撮影時の写真パネルなどもあり見た後にもう一度石垣を確認するのもよいかも。

その後伊勢神宮(外宮)経由で(すごい人出でした!令和記念ということでしょうか)伊賀忍者キングダムへ。事前情報では伊勢神宮外宮からキングダムまでの周遊バスが出てるとのことだったのですがGW中は交通規制によりまさかの運行中止!うん、そういうことあるよねGoogleセンセ…

まぁせっかくなので参拝したのち電車で最寄り駅の二見浦まで移動しそこから徒歩で15分ほどかけて向かいました。誰も歩いてないし山中のトンネルを抜けなきゃならないしでちょっと心がくじけかけましたが道の途中で山の上にそびえる安土城が見えたので何とか気持ちがもちました。あれ見えてなかったら不安でしょうがなかっただろうなぁ。なかなかの上り坂を超えて入場門にたどり着くとこちらの幟がお出迎えしてくれてはぁあよかった…となりました。

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青空にはためく幟!嬉しい~

場内は広く展示会場はメイン会場と安土城会場の2か所。安土城は山の上に立っていてメイン会場から少し離れているのでまずは無料シャトルバスで安土城会場を目指します。入口すぐのバス乗り場から7分間隔で発車。いざ!

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安土城の城門前。ここも撮影に使われた場所だそう(山姥切が駆け抜けたところ)

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城門をくぐると刀剣男士8振のパネルが安土城背景にお出迎え!!テンションあがる!!

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城内に進みます。ここからの階段結構きつかったです…

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黄金の間の一つ下の階が展望台。この景色を見ながら信長公は天下取りを夢見たんですかね…見果てぬ夢…

映画では黄金の間から信長公が三日月宗近に夢を語ってますがさすがに黄金の間の窓は閉められてました。黄金の間は当然ながら土足厳禁。靴を脱いでいざ参る!!

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狭く急な階段をしずしずと昇って部屋を見るとこちらがお出迎え!!きゃああ!!

黄金の間の通りぴっかぴか!です!そしてよく見たら三日月さまの衣装は汚しバージョンではないですか!!もう大好物なので撮りまくりました。

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足元、袖に痛々しい血糊が…!

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足元正面。足袋に点々とついてる血糊が生々しい

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サイドから裏面も。袖の裏の三日月紋も美しい

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胸の三日月紋にも血の跡が…くぅう

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肩口と袖の破れ目にも血糊(しつこい)

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全身。汚しバージョンでも神々しい

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秀吉が抱えていた三日月宗近

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ここから信長公と三日月様が上がってきましたね

実際にはもっと撮ってるんですがこのくらいで。あまりにねちねちと一人で接写してて降りるときに名残惜しそうにじーっと見てたら係のお兄さんに「再入場も可能なのでまた後で来ていただいても大丈夫ですよ」と声をかけられました。そしてお言葉に甘えて一度庭に出て撮影で使われた箇所などを一通り確認したあともう一度見に行ったという…無駄に2往復して太ももパンパンですよ、ええ。

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薬研と骨喰の藤四郎兄弟が無銘と戦っていた場所

 

↑の場所以外にも安土城周辺に撮影で使われた箇所が全部で11か所ほどあり城内にマップが掲示してあります。(撮影不可)行かれた方は探してみてください。

 

この頃はかなり暑くて安土城2往復とか汗だくだったんですけどどれだけでも見ていたいと思うくらい三日月さんの衣装は最高でした。ほんと来てよかった…ありがたや

後ろ髪ひかれつつもメイン会場へ来るときと同様にシャトルバスで移動。昼過ぎると人出も多くバスも一度に乗れないくらいでした。入場時に忍者の衣装をレンタルできるようで忍者装束の方たちも多かったです。

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メイン会場の建物です

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メイン会場の横の建物が映画で本丸の外観で使われた場所でした。壁は元通りになってます

入場すると出陣の儀が行われる祠がありこんのすけがいました(撮影不可)壁面に出陣時の映像が流れ本会場へ。入るとずらりと刀剣男士の衣装と刀が展示されてて圧巻!いやーここずっといられるわ

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通常バージョンの三日月様の衣装。大型パネルの前に実際の衣装が展示されてるとか眩しすぎました

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刀も凝ってました。(あぁ7月にはいよいよ本物がトーハクに来ますよ…待ち遠しい)


全部載せるとくどいのでここでは驚いた薬研藤四郎のパンツだけあげておきます。

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思った以上に短っ!北村くんどんだけ細いんじゃ。こんなパンツ私絶対入らない

ぐるりと男士たちに囲まれたエリアの隣には時間遡行軍の展示も。こちらは映画「東京喰種」の特殊スタイリスト百武さんが手がけられてるだけあって怖さの中にも美しさがあり迫力ありました。

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ひとつひとつ凝ってます

そして主の部屋。

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座布団の上に座ることもできるみたいですが畏れ多くて無理ですわ

最後には刀剣男士の大型パネルにお見送りされました。幸せすぎる空間…

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一番手前の人は…ん?ん??

出口には大博覧会会場用のキャスト陣のコメント映像が流れてて相変わらず長谷部役の和田雅成くんのサービス精神が際立ってました。彼のキャラはほんとにいいなぁ。大好き。

 

ハマったのが遅かったので全ての会場での展示が終わってて残念すぎる…と思ってるところに伊勢会場での追加開催が発表されちょっと遠いしどうしようかな…と迷ってたのですが行ってよかったです!何より黄金の間に上がれたこと、三日月様の衣装が2バージョン拝見できたことがサイコーでした。幸せ…

 

行くと決めたのがギリギリだったのでかなりの強行軍で行ってきましたが大満足でした。次は鳥羽水族館にも足を延ばしたいなーと思ってます。

 

 

 

 

映画「刀剣乱舞」から始まった

※途中映画のネタバレあります。未見の方で知りたくない方はご注意を

 

映画「刀剣乱舞」を初めて見たのが1月31日でそのときの感想ツイ

 

 

でその時は↑くらいの認識だったんだけどじわじわと三日月宗近気になってきてもう一回映画見ておこうと思って2回目見たのが3/16(土)これでかなりハマり舞台「どろろ」のライブビューイングで完全にロックオンされたので3/20(水)3回目行ってきた。
審神者とか近侍とか主とか聞きなれない言葉も多く映画はかなり丁寧に説明してくれてるけどまだまだ理解が追い付かず買い漁ったノベライズとか拡樹さんの三日月宗近表紙の「H」でキャスト、スタッフのインタビューなどを読んでようやく世界観がわかり始めた。

初心者に優しいブログをTwitterで発見し(ありがたい)

yellow16.hatenablog.com

おすすめコメントを読んでいたら髑髏城の七人を見る前に「戦国鍋TV 信長と蘭丸」を観て!とあったので早速YouTubeで探してみてみたら…

www.youtube.com


死ぬかと思った…か、かわいい…何この蘭丸…可愛すぎでしょ悶絶…

そうか、こんなにかわいい蘭丸やってた人が8年?後にステアラの舞台で今度は天魔王を演じたのか…そりゃあオタクは泣くでしょう…ファン歴数日の私でさえ泣くわ…
で、その舞台が終わった直後に映画「刀剣乱舞」の撮影に入り今度は三日月宗近として歴史を守るために信長に自害することを説得すると役を演じるって神展開。
しかも信長を演じてるのが同じ「髑髏城の七人season花」で蘭兵衛を演じた山本耕史さんとか!もう卒倒するよね。うん。

何かに引き寄せられたような繋がりに新参者ながら胸を熱くしましたよ、はい。

映画公開してから2か月以上経過して上映館が減ったとはいえ常に満席になるとはほんとすごい。まだまだ続きそうだし私も通ってしまいそう。これだけのムーブメントになるのも納得の奥深さ。うーん恐ろしすぎます。

とうとう舞台版の円盤もポチリました。まずは「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺 ~再演」から。めっちゃ楽しみだけど見るのが今からコワイです…

髑髏城の七人下弦の月を見た時の自分の感想ツイを探したらこんなこと書いてあって

 

あーそういう感じだったっけ?と何となく思い出してきました。そうなると尚更「戦国鍋TV」は感慨深いですな…

髑髏城の七人の放送はあさって3/23!!!めっちゃ楽しみ!!

 

 

 

 

舞台「どろろ」ライブビューイング参戦記録


映画「刀剣乱舞」の三日月宗近役で気になってゆるゆる追いかけていた鈴木拡樹さん主演の舞台「どろろ」の東京千秋楽のライブビューイングが開催されたので行ってきました。
ほんとは生の舞台を観たかったのだけど気付いたときにはチケット完売。
がっくりしてたところにライビュ―のお知らせが来たので迷わずチケットを取りました。

www.dororo-stage.com

ちょうど少し前にWOWOWで放送された「スーパーダンガンロンパ2」を見て三日月とは全然違う白髪、グレー?のカラコンでちょっと危ないサイコパスっぽい感じの役を演じてるのを見て「これは…やばいかも…」と思い始め前日には映画「刀剣乱舞」のおかわりをしていよいよ本格的にまずいと思っていたところに今日の「どろろ」の百鬼丸ですよ。もうね、完敗でした。

2.5次元舞台というものに馴染みがないため実際に見るまで楽しめるかどうかやや心配だったんですけど杞憂でした。映画館で嗚咽が漏れるほど大泣きしてしまった。
これは原作の持つ力も大きかったと思いますが、百鬼丸の鈴木さんだけじゃなく多宝丸の有澤樟太郎の真っすぐさ、縫の方大胡せしるさんの美しさ、醍醐景光唐橋充さんの領主としての苦悩と父としての葛藤など皆さんの熱量がすごくて引き込まれてしまいました。

多宝丸の兄に対する嫉妬と思慕が混ざりつつも跡取りとしてのプライドを持って最後に百鬼丸に対峙するところは涙が止まらなかったし、百鬼丸の自分の体を取り戻すという強い本能とのぶつかり合いはどちらにも感情が揺さぶられて二人とも救われて欲しいと思わずにはいられません。
縫の方も百鬼丸に対する愛情と申し訳ない気持ち故にストレートに多宝丸を愛せないつらさ、最後に百鬼丸を抱きしめた後に多宝丸に語り掛ける深い愛…あぁ書いてるだけで泣けてくる。
そして最後、百鬼丸を待つどろろが弾けるような笑顔を見せたエンディング。どろろは希望なんですね。主人公は百鬼丸なのになんで作品名は「どろろ」なんだろうとアニメを見ていても不思議だったのですがなるほど!と納得しました。

鈴木拡樹さんの百鬼丸百鬼丸そのもの。殺陣も華麗な動きではなく目が見えないからこそ本能でかわしている読めない動きになっていて手足の使い方が独特。義手についている刀を使った殺陣はお見事で途中外した腕を加えながらアクションしてるんですけどあれ大変じゃないかなぁ。あと表情の作り方!映画館のスクリーンでアップで見ると目が見えないときの眼球がすごいんですけど。ほんとに目が見えない人のようでした。声を取り戻したときに発した叫び声は切なく強く耳に残ります。あとカテコ終わって袖に捌けるときの走り方!!百鬼丸そのもの!やられるわー。

 

演出では気になったことというか驚いたことがひとつあってアニメ「どろろ」の主題歌がかかるんですね。ええ!?ってちょっと椅子からずり落ちそうになって最初引いたんですけどあまりに何度もかかるんで最後は慣れちゃって帰り道では女王蜂の「火炎」を激リピしてました。ゲンキン。
内容もかなり詰め込んでいるので無理な展開もあるんですが役者さんたちの演技に引き込まれてどうでもよくなってしまいました。原作未読でアニメで今放映中のものを見ているのですが実際に原作は未完らしいのでアニメ版がどうなるのかわかりませんがやや強引な終わり方でしたけどどろろの笑顔で終わるのはよかったなぁと思いました。原作も読んでみようと思います。

tezukaosamu.net

 

鈴木拡樹さんは「髑髏城の七人Season月~下弦の月」で一度見てるんですが申し訳ないことに記憶になくて…マモこと宮野真守の捨之介のインパクトが強すぎてどんな天魔王だったか思い出せないんですよね。ううなんと勿体ない。今度WOWOWで放送があるのでめっちゃ楽しみです。
この後同じくWOWOWでオリジナルドラマ「虫篭の錠前」も放送されるし2.5次元男子TVなんていう番組もやってたりして(これも2回ほど見て素顔もまたよきかな…だったのでますますやばい)
もう入っててよかったWOWOW!って思ってます。

とりあえず映画「刀剣乱舞」がまだ上映されてるのでもう何回か行く予定。
舞台の方も…あぁDVD買うしかないか…

 

 

昭和元禄落語心中 最終話「八雲」感想 ー美しいドラマでした…が


第四話「破門」の感想以降更新しないまま最終回の第十話「八雲」が終わって早2週間。年を越す前に締めの感想を上げておこうと思います。

 

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最終回のラストの3ショット

 

言いたいことは第四話まででほぼ言い尽くしてしまった感があり、その後のお話はただただ美しさを突き詰めていくような展開だったのでしばらく置いておきました。

色々なところで記事になったり取り上げられたりしたのでわざわざ言うこともないかなと。
RealSoundさんのコラムが毎週とてもよかったので詳細はこちらで。

realsound.jp

ドラマとしてはこれまでも書いてきた通りセットも凝っていて劇伴もよく照明その他映像も美しくとても贅沢に作られた作品でした。
脚本については、第5話以降原作から大きく変えたところは以下の5点

与太郎が真打になるタイミングと小夏の出産を合わせた
(原作では真打になったときすでに信之助は生まれている)

与太郎に芝浜の稽古を八雲がつける
(原作で八雲が芝浜をするシーンはない)

助六とみよ吉が亡くなった夜の出来事を小夏が自分で思い出す
(原作では小夏は真相は知らないまま)

⓸みよ吉と小夏が一緒に窓から落ちてしまいみよ吉は「この子だけは助けて」言い残して八雲に託す
(小夏が信之助を出産するときにも同じセリフを言うが原作にはこういう描写はない)

⓹落語全集を作る樋口先生が登場しない
(落語全集は萬月師匠が作る設定になっている)

登場人物を減らし落語と家族の継承を際立たせるように改変されてると思います。
原作では与太郎はあっさり真打になっていて「芝浜」を演じるのは助六が最後の夜に演じた「芝浜」のフィルムを見たあとなんですがその前に八雲が助六の「芝浜」の稽古をつけて真打に披露に臨ませそれを客席で見ている小夏が産気づきまさに助六の生まれ変わりとして信之助が誕生するドラマチックな筋立てになっています。小夏が難産で苦しんでいるときに八雲は一人高座で寿限無を演じるなど演出も凝っていました。

原作ではかなり重要な役割だった樋口先生をばっさりカットしたのも八雲の人生を落語になぞらえて密度を濃くし樋口先生の講釈がつくとかえって印象が薄まるからでしょう。ドラマとしてはこの方が見ている側も集中できてよかったと思います。

岡田将生くんの八雲は第一話の50代から始まり10~30代の菊比古時代を経て60代の八雲に飛び70代までを演じました。

30代の助六が失踪してからの菊比古には美しさとともに一人で有楽亭を背負う凄みが感じられて色っぽいだけじゃなくて少しずつ偏屈さが表に出てきて菊比古から八雲に少しずつシフトしていく危うい感じがよかったですね。落語にも自信がついてきて脂がのってるといった感じの「品川心中」はよかったです。温泉旅館の落語会で演じた「明烏」は菊比古&八雲であまり演じられなかった明るい噺だったのでもう少し聴いてみたかったですね。あとは助六との連弾で演じた「野ざらし」も八雲一人バージョンも聴いてみたかったかな。

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連弾野ざらしの一コマ

60代、70代の名人八雲になってからは端正さに磨きがかかり動きや話し方もゆっくりだけど眉や目線の動きだけで心情を伝える演技が主でこれ以上ない受けの演技だったと思います。ちょっと50代が老けさせすぎちゃったからか60、70代がちょっと爺すぎやしないかと思いましたがまぁ八雲さん苦労続きの人生だったので老けちゃったということにしました。雲田先生のリクエスト通り着物姿は毎回美しく高座で正座したときの背中の丸め方も年を追うごとに低くなりそれが美しいというのは実際には若い岡田くんが演じたから出てくる良さだったような気がしました。

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老いの恐怖を感じ始めた60~70代


老齢期の八雲を演じるのは難しいのではという前評判もありましたが一人の役者が10代から70代まで演じたからこそ背中に重なっていく業や去っていった人の思いを乗せることができたのではないかと思います。
大河ドラマや朝ドラのような1年スパンじゃない3か月1クールのドラマでここまで濃密な役を演じることはないと思うので大きな挑戦だったと思いますが相当な努力をされた上で素晴らしい結果になったのではないかと思います。

ドラマ「昭和元禄落語心中」は落語を描いたとても美しいドラマだったと思います。

そこは強調しておきます。

 

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ということを踏まえた上で以下は私の個人的な感想です。ドラマの出来に何も言うことはなく私の好みと作品への向き合い方の問題になります。


先日、「お江戸@ハート幕末太陽傳の巻」というイベントに行ってきました。

oedo-heart.com

映画「幕末太陽傳」は落語のいくつかの噺(居残り佐平次、品川心中、お見立て、三枚起請など)をモチーフにした川島雄三監督、フランキー堺主演で制作されたスラップスティックコメディの傑作です。その映画について落語家さんや芸人さんがトークや落語を行うというイベントでドラマの落語監修をされている柳家喬太郎さんが出る回と今やチケットの取れない講談師として人気の高い神田松之丞さんが出演される回と2回行きました。喬太郎師匠の回ではドラマで稽古しているうちに久しぶりにやりたくなったという「品川心中」が聴けてとてもハッピーでした。神田松之丞さんの回のトークのときにドラマ落語心中の話題になったとき松之丞さんは「(ドラマ)見ましたよ…ひっでえ話しですよね、あいつら落語のことなんか全然好きじゃない…」みたいなことを言いかけてまずいと思ったのかMCの方がすぐ違う話題に変えたのでその先は聞けませんでした。
あらゆることに毒づく松之丞さんなのでお得意の毒舌かなとも思いますが私の中でとてもその言葉がひっかかりずっと考えていました。というのは私がもともとの原作を読んでいるときに感じていたちょっとした違和感がドラマの中でもちょっとした小骨のようにどこかにひっかかっていてそのことを指摘されたような気がしたからです。雲田先生がこの作品を描くきっかけは寄席にたくさんの人が来て欲しいという思いからだったそうでそのために落語家さんをかっこよく描くということに拘られていてその目的は成功しているのかなと思います。原作以上にドラマの八雲、助六与太郎は美しくかっこよかったというのは製作陣、キャストがその思いを忠実に再現していたからでしょう。
マンガやドラマとして読者や視聴者に訴求するためのアプローチなんだと思います。

松乃丞さんの意図はわかりませんが、実際の落語家さんには顔があんなに小さくて手足の長い方はいません。ドラマの中では助六はだらしなくて師匠たちにいい顔されていませんがもっととんでもない人はいくらでもいるんじゃないでしょうか。落語やってなければただのクズ(言い過ぎ)みたいな人が。客にもおかしな人がたくさんいる猥雑で訳のわからないところが寄席という場所だと思いますがそういう空気感は原作にもドラマにも感じられませんでした。(松之丞さんがAERAの表紙撮影時のエピソード↓ですが確かに浅草ってこういう人昼間からうろついてますからね)

numbers2007.blog123.fc2.com

人としてはどうしようもないけど落語やってるときはめちゃくちゃかっこよく見える、そいういう姿を描いてたら「落語家」を表現したドラマになっていたのかもしれないなと思ったのでした。なので「落語」を描いてますが「落語家」を描いたドラマではなかったような気がします。
それに気づいたきっかけはドラマの最終話の翌日に放送された「IPPONグランプリ」で優勝した設楽統さんがめちゃくちゃかっこよかったことです。

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どんどん一本を取っていく姿が痺れるくらいかっこよくて私が見たかったのはこういうかっこよさがどうやって出来上がるのかというドラマだったんだなと思ったのでした。ですが、それは「昭和元禄落語心中」の目指したところではないと思いますからドラマそのものには不満があるわけではなく、岡田くんの八雲には心打たれるものがありましたし素晴らしいドラマだということはわかっています。なのであくまで私の好みに問題があるんだと思います。

そして思い返せば私の盛り上がりのピークはエキストラに参加し生の八雲師匠の落語を見た時でした。原作を読んでいろいろと妄想しすぎたせいかドラマを見ていても答え合わせをしているような感じになり新鮮に感動できなかったのは今後の向き合い方を考えさせられました(大袈裟)やはりドラマを先読みしすぎるのはよくないかもしれませんね。

となぜか最後は反省モードになってしまいましたが岡田くんにとって大きな役だったことは確かなので心に残るドラマだったことは間違いなくこのようなドラマが地上波で見られたことに感謝しています。

何だか締まらない最後の更新になってしまいましたが来年以降もぼちぼち書いていきますのでお時間ありましたらお付き合いください。

今年もありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

昭和元禄落語心中 第四話「破門」感想

原作の「八雲と助六」篇の其の四、其の五あたりの話になります。

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今回の演目
菊比古
暁烏
死神

助六
居残り佐平次

第四話の監督は清弘誠さん。今までで一番落語シーンが一番少なかったですね。ドラマ部分に重点を置いて落語は一つの要素になっていました。それはそれでよいのですが山崎育三郎さんの素晴らしい居残り佐平次はもう少し聴きたかったなぁ。岡田くんの明烏も菊比古の中では明るさのある噺なので聴いてみたかった。
余談ですが、先日お江戸@ハート「幕末太陽傳の巻」というイベントで柳家喬太郎師匠のトークと落語を聴く機会があり「品川心中」を聴きましたが、まぁかわいらしかったですね、お染さん。ドラマ監修で岡田くんに稽古をつけててやってみたくなったと言われてたのでこのタイミングで聴けてよかったです。楽しかった。その際に喬太郎師匠は「居残り佐平次」をつい最近までやったことがなかったとおっしゃっててとても意外でしたね。喬太郎さんくらいの方でもそういうこともあるんですね。

 

映像も窓越しだったり木枠の隙間から見せたりとちょっと俯瞰で撮っているシーンが多く菊比古や助六の会話をこっそり覗いているような気分になり面白いなぁと思いました。そして今回も照明がとことん美しい。もう何度でも言いますが暗さが好きです。

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彦兵衛師匠の部屋の外から

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死神を演じる菊比古を見る助六目線

今回はドラマオリジナル部分がよかったですね。
特に前回落語の中に自分の居場所を見つけた菊比古が真打になるにはまだ物足りないと師匠に言われて酒に酔って客と喧嘩し協会を除名になった元名人の木村屋彦兵衛に「死神」の稽古をつけてもらうシーンは演じているのがドラマ監修の柳家喬太郎師匠だっただけに実際に岡田くんが「死神」の稽古をしている様子はこんな感じだったのかなぁと想像してちょっと嬉しくなりました。
その際に菊比古の死神について「若いな、いやまだおめえが若いからしょうがねえが」っていう師匠のセリフを言われたときの菊比古の反応がちょっと素の岡田くんが垣間見え、見ている側に岡田くんが落語の素人であることを思い出させ、その上で50代の死神を演じたあとに今初めて稽古をつけてもらう死神を改めて演じているという二重三重のからくりを見るような構成でした。

彦兵衛師匠に「技術だけじゃ真打になれねぇ、師匠やお偉いさんのご機嫌損ねたら一巻の終わりだ」「助六にも伝えておけ」と言わせるのも最後に助六が破門に至る事情に説得力を持たせてました。

他にもみよ吉が菊比古に杖を買って届けたり見受け話があると言ったり酒におぼれて寄席の前で倒れたりといった原作にないエピソードを入れることでみよ吉の菊比古への一途さを際立たせてます。正直原作で読んだときはみよ吉さんは寂しさを紛らわせてくれる人であれば誰でもよかったような印象でした。ドラマでは「菊さんに出会ったのが第二の人生の始まり」と言ってますが原作では「満州で七代目八雲と出会ったのが第二の人生の始まり」となってます。七代目のあとにたまたま出会った菊比古と付き合ってすがっているだけ、ちょっとヒドイ言い方ですけど最初はそんな風に思ってました。

みよ吉に別れを告げるときは感情を押し殺すことができるのに助六に対しては苛立ちや怒りや嬉しさも素直に出せる。助六が菊比古にとっての落語そのものなんですね。みよ吉演じる大政絢さんが「みよ吉は菊さんにとって都合のいい女、そんなみよ吉がかけがえのない存在になるんだけどやっぱり落語には勝てない」と評してましたがまさにその通りだと思います。

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みよ吉の部屋に別れを告げに行くシーン。この光の当て方すごく好きです。そうそう昭和の家の電球は低いんですよね

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助六には自分の気持ちはわからないと苛立ちをぶつけるところ

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その後の指切りではこの笑顔。みよ吉には見せない顔


真打になるためにみよ吉と別れろと師匠に言われて別れを決意する菊比古。片や師匠のやる落語は古臭いとたてつき破門される助六。どちらも落語を愛しているのに全く逆の行動をする二人。これは昭和の時代に落語界が分裂を繰り返したことを重ねているんだなぁと思いました。後の世になってみれば伝統を守る人も型破りなことをやって進化を推し進める人と両方いてこそ文化は続いていくのですが、当事者同士はときに対立してしまうのですよね。菊比古にとってみよ吉は落語以上の存在にはなれなかった。そして助六は常に菊比古の前を歩いていて天才的に落語がうまく人気者で菊比古の持っていないもの全てを持っていると思っていたのに菊比古以上に孤独と闇を抱えていて一人では生きていけない人だった。菊比古も助六もみよ吉もみんなそれぞれひとりになりたくないと思っているのに求める方向が全部一方通行になっているもどかしさ。
思いが結実するには与太郎の登場まで待たないとならないんだなぁと思いました。
第一話で与太郎が破門されるときと今回助六が破門されるシーンどちらも主題歌の「マボロシ」がかかったのですが、助六は落ちていく始まりで与太郎は再生へのステップになるんですよね。とても象徴的だったと思います。与太郎は雪の中で助六は桜が散っているというのも対照的でした。


次回「決別」の予告編ではかつてないほどの切ない顔で助六の背中を掴んでいます。はい、楽しみです。

 

 

 

昭和元禄落語心中 第三話「迷路」感想

第二話の最後に運命の女登場、という感じで菊比古と出会うみよ吉が本格的に登場しました。

今回の演目
菊比古
寿限無
品川心中

助六
夢金

鹿芝居
弁天娘男女白浪(ベンテンムスメメオノシラナミ)

弁天娘女男白浪 | 歌舞伎演目案内 – Kabuki Play Guide –

河竹黙阿弥作ということろに不思議な縁も感じます。「ニンゲン御破算」絡みで)

私が原作を読んだときのみよ吉の印象は正直言うと「うぜえ女」でした。
助六に落語を辞めさせたり菊比古に一緒に死のうと言ったりあげく最後には…とはた迷惑でしかなく結構イライラしながら読んでいました。

原作では菊比古はみよ吉にちょっかいを出されて強引に付き合わされてる感じなんですが、ドラマだと出会いの場面からして菊比古もみよ吉さんに最初から惹かれてるように描かれていて菊比古の中にいるみよ吉の存在が原作よりも大きくなってます。
悩んでいる菊比古に「居場所は自分で見つけるもの」という落語をやるための意味を菊比古に気付かせるきっかけを与えます。原作では菊比古が自分で気付きます。また鹿芝居で怖気づいてる菊比古にキスをして舞台に送り出しますが原作にはこの描写はありません。また「死ぬことはこわくない、一人で死ぬのは寂しいけど」というセリフを唐突に言ったりします。最初から死の匂いがぷんぷんしますね。
みよ吉については原作の終盤で八雲が小夏さんに
「みよ吉さんはアタシといるときはたいそう優しかったよ
あの人には女の人の酸いも甘いも苦みもぬくもりも冷たさもみィんな教わった
とても魅力的な人だったよ
そして落語を与えてくれたのは助六さん
アタシの味気ない人生に色を与えてくれた二人だ
永遠に手の届かない二人」
というシーンがあります。一緒にいるときにはそんなに愛情を見せていなかったけど菊比古なりにみよ吉を思っていて恐らく年を取ってからみよ吉が与えてくれたものの大きさに気づいんだなということがわかる言葉です。ドラマではより実態を伴う形で具体的に見せてるのかなと思いました。

八雲の人生にかけがえのない存在の二人を第二話で助六、第三話でみよ吉とそれぞれドラマオリジナルエピソードを加えて深みを与えて描いてます。

みよ吉の存在だけじゃなく助六に対しても初太郎と呼んでいたころは彼の言葉に力づけられ初太郎の見ている先を一緒見ていればいいと思ってた第二話の最後から、二つ目となって助六と名前を変えてからどんどん先へ行ってしまう助六に黒い感情が芽生えて二人の間にも変化が表れてくるのが第三話でした。

岡田くんが↓のインタビューの中でドラマの八雲の一番の特徴はどんなところか聞かれて

thetv.jp

「陰気臭いところですかね?」と答えてますが
まさにそれ。助六への嫉妬心もみよ吉さんへの思いも原作だともう少しツンデレ風というか軽さが見えるんですけど、ドラマの菊比古はとにかく真面目で硬い。
「神様は不公平だ、遊んでんのに腕上げて仕事もらえて、初太郎ばっかり」と助六にいう場面のどす黒い表情に菊比古の内面がにじんでます。
第二話では生きて帰ってきた初太郎をあんなに嬉しそうに抱き締めていたのに。
だからこそ余計に憎らしさが募るんでしょうね。「このころのアタシは助六という物差しを通してしか見られなくなっていました」と助六への羨望と嫉妬に悶々としていることをはっきりと語りで伝えています。これも原作にはないところ。

八雲になってからの落語に宿る凄みの蓄積を少しずつ表面に出す作りになっているのではないかと思います。

 

こちらのインタビューで

news.livedoor.com

びっぱられるのでアニメは見ないでくれと言われていたとありますが
スタッフさんたちがかなり比較されることを意識していたのかなと思います。

それだけに原作の世界観をいかに3次元で表現するかということに徹底的に拘ってるのが伺えます。美術から照明まで陰影が濃く画面だけじゃなくて時代背景まで含めて影を大きく描いてると思います。満州での助六、師匠、みよ吉の場面も原作にはないけどあの短いシーンを入れることで助六の思いとみよ吉の孤独感と落語の重要さが伝わります。

毎回、セットには感心していますが今回は菊比古と助六が暮らす6畳一間のアパートが素晴らしかったですね。畳の目のつぶれ方や壁のぼんやりしたシミ、小さいタンス丸いちゃぶ台にしなびた布団。落語家は二つ目時代が一番貧乏らしいのですが(前座の頃は食事代などは師匠が出してくれお小遣いももらえるけど二つ目になるとなくなる)男二人がこの一間に片寄せあって暮らしてればいろんな感情が生まれるでしょうという空間づくりになってます。

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匂いまで伝わってきます


このあたりの生々しさがとてもよいですね。画面の向こうから湿気が漂ってくる感じ。
隅々まで気を使って作られたセットはほんと素晴らしいです。

原作の雨竹亭のモデルとなった建物などロケハン含めてとことん昭和を感じさせる画作りが素敵だなぁと思います。

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雲田はるこ先生も絶賛の歴史ある建物

あとこれまで触れてなかったのですが岡田くんのナレーションはやはりよいですね。「平清盛」のナレ朝を思わせる過去回想の語りは客観性を持たせながらも八雲目線で懐かしむような口調が菊比古の心情をうまく補完しています。岡田くんの声はとてもナレーションに合うので声だけのお仕事をやっても面白いのになぁと思ったりしてます。美術展の音声ガイドとか。

あともう散々言ってるしTwitterなどでも皆さん絶賛されている菊比古の美しさについて、岡田くんがゲストで出演した土曜スタジオパークで頂いた美顔器を使ってて今回は美しくありたいと思っているので~と言っていました。「きれいに見せる」ことにかなり気を配っていることがわかります。元からきれいな人がさらに磨きをかけるともはや凶器とすら思えますね。人が殺せる(物騒)。

今回は鹿芝居で女形を演じてますが実際に白塗りするとキレイというより骨格の骨っぽさが目立つので見た目の美しさはおいといて(素人芝居なので化粧も粗くしてあるし)ここは堂々たる口上が見せ場でした。有名な「知らざぁ言って聞かせやしょう~弁天小僧菊之助たぁオレのことだぁ」の言い回し、歌舞伎は詳しくないのですが声の張り方、通り方、抑揚、かなり頑張っていたのではないかと思います。元々素人がやる設定なのでうますぎてもおかしいし。二つ目の落語家が頑張って稽古して見栄を切っている、それまで客の目を見れなかった菊比古の表情にふてぶてしさが見える、自分が主役なんだと実感していく変化が短い場面に凝縮されていました。

 

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恐らく生の声は相当な迫力だったのではと思います。

その後助六が入れ替わるようにみよ吉を追いかけていき、最初に菊比古と出会った寄席の入口でみよ吉が「意外と優しいのね」と助六に声をかけるシーンはこのあとの3人の変化を予感させました。

酔った助六が自分の満州での体験を話しながら「オレは人のための落語をやる、おめさんはどうなんだ」と菊比古に問いかけ、その言葉を楽屋で思い出しながら自問しついに菊比古が目覚めます。菊比古のアップから高座へ上がる後ろ姿を足袋のアップからとらえ高座に登場するところ正面から映し座布団に座って噺を始めるまで全部映したのは菊比古になって初めてのこと。一人の落語家として有楽亭菊比古誕生を強く印象づけました。

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腹が据わった顔です

 

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前半の寿限無のときと顔つきが変わりました

岡田くんが「昭和元禄落語心中」に菊比古・八雲を演じると聞いて原作を読んだときに菊比古と八雲に岡田くんが重なる部分がいくつもありましたが、今回自分の助六と自分を比較し落語に向いてないのかもしれないと悩む菊比古にみよ吉が「菊さん魅力的だし喋ってる姿がとってもきれい」と言うと「そんなもの落語に必要あんのかい、落語に必要なのは愛嬌、それが致命的にねぇ」と菊比古が言うのです。岡田くんに「(キレイさは必要ない)愛嬌が致命的にねぇ」って言わせるかーと唸りました。
いや、素顔の岡田くんは可愛らしい人だし愛嬌もあると思いますけどあの完璧なまでの美しさはともすると面白味にかけて演じる役柄を狭めかねない面もあるように思います。というか世界的に見ても顔のきれいな人はそこにばかり目が行って演技力が正当に評価されず同じようなオファーが多くなったり若いうちはいいけど年取ったら大変だよみたいなことを言われたりするようなこともあったんではないかと勝手に想像しています。(あくまで想像です。)なので自分の落語を探して悩む姿が美しければ美しいほど彼自身もそういう葛藤を経てきたのかなぁと思いを巡らせ余計菊比古を演じてるときの中から滲む美しいほの暗さにリアリティを感じます。何度もいいますがあくまで勝手な想像です。

だからこそ菊比古覚醒のシーンは胸がすくような気持ちもなりました。目に力が宿り自信に満ちた表情で色気も華もある。その上で元の端正さがより強力な武器になる。岡田くんが菊比古を演じてくれてほんとうによかったと思いました。

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この艶っぽさは美顔器の賜物なんでしょうか。つやつや

次回は「破門」。どんどんしんどくなりますね。