しつこく「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」
大阪千秋楽から1週間たちますが、まだまだゴーゴー熱は冷めず
というか悪化してるんじゃないかと思うほど。
都合4回見たけどわからない部分がたくさんあるので戯曲をAmazonでぽちり。
手元に届いた日から毎日読み返してます。
舞台も見るたびに印象が変わり、毎回これまで私は何を見ていたのか状態
だったので、戯曲を読めばもう少し理解できるのかと思ったんですが
今度は新たにト書きを読んで「あれ、そうなの?」と思うことが増えて
さらにずぶずぶと深みに嵌っています。
まだまだ考えまとまらないんですが、今回戯曲を買ってよかったと心底思ったのは
以下の一文を読んだときでした。
ミツコがオカザキに思わずしがみつくと上着がとれ、オカザキはトーイになる。
おお!そうなのか!と。
今回、岡田将生くんはゴーゴーボーイのトーイとミツコのマネージャーで
浮気相手となるオカザキの2役を演じており、
舞台上で衣装を変えてオカザキからトーイになるシーンが何度か出てきます。
これはその中の最初の場面。
ミツコの部屋でオカザキと抱き合ったあとに舞台が少し暗くなり
オカザキのメガネを外しシャツを脱ぎだぼだぼのズボンを履き
髪をくしゃくしゃっとしてトーイに早変わりします。
一瞬にしてオカザキからトーイへ変貌する岡田くんの姿に
ドキッとする印象的なシーンで、
見ているときは場面転換の演出上やっていることなのかなくらいに
思っていたのですが
文字ではっきりと「オカザキはトーイになる」と書かれていると
まるでオカザキとトーイは同じ人間のように思えてくるのです。
オカザキは東京、トーイはジャワンガスタンにいることになっているので
別人として存在しているのですが、同じ役割を担っている人物であることが
はっきりしたような気がします。
この作品が「夫婦の物語」であることが明確になる文章だと思いました。
パンフレットで松尾さんが「夫婦の話をきちんと正面から書いてみたい」と
おっしゃっていて、なるほどーと思いながらもピンと来ていなかったのですが
この文章ですっと腹落ちしました。
背中合わせにトーイとオカザキが立ち、二人を挟んで永野とミツコが向かい合ってる
ようなそんな絵が思い浮かびました。
トーイとオカザキは夫婦の「負債」(←戯曲のあとがきにあった表現です)
の象徴なんだと。
(後日追記)
シアターガイド8月号の松尾さんインタビューで「負債的なものの象徴として岡田君がいたら面白いと思ったんです。旦那の側には美しい少年として現れ、奥さんの方では俗っぽい不倫相手という二役で」と発言されていました。なんだ、そのまんまじゃないですか。もっと早く読んでおけばよかった…まぁ答え合わせができてよかったと思うことにします。恥ずかしいな。
途中でオカザキがオカザキじゃなくなっていくのはトーイの最期が近づきつつあり
夫婦の距離が縮まった表れなのかなと思いました。
これで核になる部分は理解できたような気がするんですが
枝葉の部分、特にトーイと永野についてはかなり深く生い茂っていて
なかなか全貌がつかめません。見えたかなと思っても
また違った部分が見えてきて…。もう少し時間がかかりそうです。
本日はとりあえずここまで。