特別展「古代ギリシャ -時空を超えた旅」
東京国立博物館平成館で開催されている特別展「古代ギリシャ 時空を超えた旅」
に行ってきました。
古代ギリシャと言っても紀元前7000年の新石器時代まで遡り(第一章)
その後、クレタ島を中心に発展したミノス文明(第二章)
幾何学様式~アルカイック時代(第四章)
アテネで民主政が確立したクラシック時代(第五章)
古代オリンピック(第六章)
マケドニア王国(第七章)
ヘレニズムとローマ(第八章)
とかなり長きに渡る歴史の流れを8ブロックに分けて展示されていました。
おそらく一般的に頭に浮かべるギリシャのイメージはクラシック時代の遺跡が
多いかもしれません。有名なパルテノン神殿はこのあたり。
いやぁ、正直ここまで長い時代がカバーされてるとは思わず
作品の多様性に驚きました。
第一章は新石器時代の銅鐸や原始的な石像など。このあたりはいかにも
古代という感じ。
第二章のミノス文明になると絵付された陶器などが目を引きます。
クレタ島を中心とした海洋文明らしく、タコ柄の壺などユーモラスなものが
はっきりと絵柄がわかる状態で残っています。すごいなぁ。
乾燥している土地ならではなんでしょうか。紀元前1400年頃とは思えない。
日本だと縄文時代あたりですかね。
同じく海洋文明が発展したサントリーニ島(テラ)からは色鮮やかなフレスコ画。
ポスターやチラシに大きく掲載されてますね。
火山灰の下に埋もれていたからなのか保存状態がいいらしいです。
サントリーニ島は12年ほど前に訪れていますが、遺跡巡りなどはほとんど
しなかったので初めて見ました。もっとちゃんと見て来ればよかったなぁ。
続くミュケナイ文明期の展示は銅剣や黄金の装身具やボタンなどが
多く展示されてました。金細工もかなり細かい文様が入っていて
高度な技術を持っていたことが伺えます。
このあと暗黒時代(いつも思うんですが暗黒時代って何なんでしょうね?
多分遺跡等が残ってなくて検証できない時代があるってことなんでしょうが)
を経て幾何学様式アルカイック時代として、ギリシャが各地と交流を持つなかで
影響を受けたと思われる幾何学文様の甕やアルカイックスマイルの石像などが
並んでいました。
このあたりからだんだんギリシャのイメージに近いものが出てきました。
第五章のクラシック時代になると都市国家が成立し、民主政も確立、
演劇や哲学が盛んとなり、パルテノン神殿などが建てられました。
アクロポリスの丘近辺から出土した石像や陶片追放などに使われた政治家の名前が
書かれた陶器の欠片などが展示されていて、この頃には芸術も政治もかなり
出来上がっていたことが伺えました。
第六章は少し趣向が変わって古代オリンピックに因んだ作品群を
多数展示。競技する選手の像や競技中の様子が描かれたアンフォラなどが
見ることができます。
実際このあたりまで見るだけですでに結構へとへとでした。あと2章~!
第七章はマケドニア王国。今ではマケドニアというと旧ユーゴスラビアから独立した
国という印象ですが、元々はギリシャ王国の中心だったのですね。
金山があったらしく、金の装飾具やコインなどが展示されていて
中でもギンバイカの金冠は細工がとても繊細で美しかったです。
そして第八章はヘレニズムとローマ。アレクサンドロス大王の死後のヘレニズム時代
にギリシャ芸術は各国へ影響を与え、ギリシャ芸術そのものも円熟してきた頃。
その後ローマに征服されますが、ローマ時代の芸術はギリシャから影響を受けたものが
多いようです。
ギリシャ人風のひげや髪形をしたローマ人の頭部の石像などが残っていました。
美しかったのはイルカに乗ったアフロディテ像。これは会場の入り口に
展示されているのですが、ギリシャ文明がエーゲ海を中心に広がり芸術性も
合わせて高まっていった象徴のように思えました。
と、まぁ駆け足で振り返りましたが、ギリシャ文明について
知識がほとんどないことが残念でしたが、それでもかなり楽しめました。
ポンペイの遺跡を見た時も思いましたが
人間の暮らしに必要なものはすでに3000年前くらいに基礎はできあがっていて
あとは少し便利になったりやり方変えたりとアジャストしているだけんですね。
演劇も音楽も文学もスポーツも人が生きていくためにはなくてはならないもの
としてずっと存在しているんだと思うと
役者さんやミュージシャンやアーティストやスポーツ選手ってすごい職業なんだなぁ
と改めて思う次第。
やっぱりそういう人たちをずっと応援していきたいなと強く思いました。