おうちに帰ろう

心茲にありと

イサム・ノグチ「発見の道」展

本日8月29日最終日に駆け込みました。

 

isamunoguchi.exhibit.jp

 

日時指定予約制なので、行列ができることはないですがそこそこ混んでましたね。彫刻なので比較的自由に見られるのであまり気にはなりませんでしたが。

3つの章立てで1フロアごとにテーマを変えて展示されてます。

入口のあるフロアは

第1章「彫刻の宇宙」

真ん中に代表作「あかり」をたくさんつるしたインスタレーションがあり周囲に大小さまざまな彫刻が並ぶ空間は美しくて楽しい。素材もブロンズや石を使ったものなど様々。「お地蔵さん」というタイトルの作品は田舎道にポツンとおいてあっても違和感なさそうな素朴な作品で好きだったな。戦前(1940年代ころ)の作品はパーツを複雑に組み合わせて鳥や化身など構築的な作品が多く、花崗岩を使うようになってからは原初的な作品になるのも面白いです。

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花崗岩を使った「黒い太陽」と「あかり」のインスタレーションの組み合わせ

続いてひとつ上のフロアが

 

第2章「かろみの世界」

 

父の祖国である日本の伝統的な折り紙や切り絵に影響を受けたような作品が多く、ブロンズを板状にしたものを組合せた作品群が並びます。そして「軽さ」に注目して制作された「あかり」会場内のモニターで流されてた生前のイサム・ノグチのインタビューでは「僕の作品は高いからみんな買えないけどこれなら買って手元においておけるでしょ。それがいい」みたいなことを言ってて日常の中に取り入れられるアートを意識されてたようです。実際、この「あかり」は今でも普通にお洒落なインテリアショップに売ってますしね。

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コンランショップとかにありそうな「あかり」の数々

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「プレイスカルプチェア」座ってみたい!!つるつるして気持ちよさそう

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「秘密」なかなか意味深

 

そして最後のフロアは

 

第3章「石の庭」

 

第1章、2章まではオール撮影OKでしたが、ここのフロアは撮影NGでした。香川県牟礼にあるイサム・ノグチ庭園美術館の野外アトリエに残された作品を初めて美術館内に設置するという試みだそうです。ほとんどタイトルが「無題」となっていて、作品というより大地の一部のようなものなのかなぁと思いました。花崗岩の産地である牟礼にアトリエを構え、そこで出会った石匠の和泉正敏さんとコレボレートした作品群は、大地の一部でもあり、芸術作品としての力もあって、ずっと見てても見飽きないいような作品ばかりでした。
つるつるに研磨したシャープな面とごつごつした石そのままの部分を残した作品は人と自然の調和を表してるような気がしたり。
牟礼の野外アトリエで見ると全然違って見えるんだろうなぁと思いました。

最終日になんとか見られてよかったです。

 

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