おうちに帰ろう

心茲にありと

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章

製作発表から約1年。

待ちに待ってた「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章」が

昨日8/4より公開されました。

 

昨日1回、本日舞台挨拶を含めて2回、公開2日で3回見てきました。

 

原作については実写化発表前までは「アメトーーク!」のジョジョ大好き芸人で

知った程度。ざっくりとどんな世界観なのかは知ってるけど

詳しいストーリーは知らない。

今回映画化された第四部の序盤のみをやっつけで読みました。

 

絶大な人気を誇るコミックの実写化だし、スタンドという独特な武器というか超能力を

映像化しなくてはならないので、実際に作品を見るまではドキドキでした。

 

現在も連載中のジョジョの中で日本が舞台になっている唯一のパートらしいのですが

今回の映画のロケ地はスペインのシッチェスというバルセロナから1時間程度で行ける

海辺の町。これが大当たり。

そもそもジョセフ・ジョースターという主人公から始まった物語なので、

今回の主人公が東方仗助と言われても服装も髪型も無国籍な雰囲気。

恐らく日本のどこかの街角にいたら浮きまくりなキャラ設定ばかりなので、

いっそ海外でロケをするというアイデアは秀逸だと思いました。

どうやってもコスプレにしかならない衣装でも無理なくドラマとして成立したのは

いかにも南ヨーロッパな路地や協会が背景にあったからだと思います。

 

 

初日に見終わった直後の第一印象は「あ、ちゃんと映画になってた…」でした

(ハードル低すぎ)。

三池監督の職業監督としての優秀さが発揮されてるなぁと。

第四部だけでもコミックで19巻分もあり今回はほんの触りの部分のみの

映画化だったのでもう少しテンポよくすればもうちょっと

エピソード入れられたんじゃないかなぁという気もしますが、

初の実写化なのでキャラクターを丁寧に描いたのかなと思いました。

 

冒頭のアンジェロがスタンド使いになるまでの件はジョジョというより犯罪ものの日本映画のような味わいで三池さんのダークな画造りがアンジェロの凶悪な

キャラクターを表すのにぴったり。

そのあと虹村形兆に矢を射られるシーンになると一転ゴシックファンタジー風になり

ジョジョの世界観に入っていく演出はうまいなぁと思いました。

このシーンは原作にない映画オリジナルの演出なのですが、

いきなり空条承太郎を出さずにアンジェロから持ってきた方が違和感なく

ストーリーに入れたと思います。

映画の最初に出てくるスタンド使いが形兆で「出会いとは重力」というシリーズを貫くジョジョのテーマと言えるようなセリフを言わせるあたり、この作品における形兆が大きな存在であることが伺え、ファンとして一気にテンションがあがりました。

(こんなに最初から出てくると思わなかったので!)

 

そのあとはスタンド使いになったアンジェロは仗助によって岩になり

アンジェロを倒した仗助と虹村兄弟の戦いが後半に描かれます。

スタンド同士の戦いなので全面的にCGになってしまうんですが

原作のイメージを膨らませチープ感もなく躍動的に描かれていて素晴らしいなと

思う反面、これは設定だから仕方ないんですけど

もう少し人物が動いてほしいとも思いました。

役者さんたちは自分があまり動かない状態でアクションシーンが展開されるので

むしろ演技が大変だっただろうなぁと思いました。

実際に殴り合わないのでね。

 

主人公のジョジョを演じた山﨑賢人くんは仗助の優しさと強さを自然体で

演じてたように見えました。いや、ジョジョなのに自然体って、

思うかもしれませんが何の違和感も力みもなく

「グレートだぜ」ってセリフがすっと耳に入ってくるって

なかなかできないですよね。よかったと思います。

 

あとは虹村弟の億泰を演じた新田真剣祐!すごーくよかったです!

ちゃんと演技を見たのは「僕たちがやりました」が最初で次がこの億泰なのですが

声も表情も全然違う。バカなんだけど憎めない弟っぽさが全開で

これで「アニキぃ!」って来られたらそりゃかわいがっちゃうでしょうよと思いました。

 

そして岡田将生くん。 

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原作を読んだ時点で哀しくて切ない人物だなぁと思っていた虹村形兆

弟の億泰を足手まといといいながら、仗助が父を救うスタンド使い

探すためなら協力するといい、こんなことはもう止めようという億泰に

「この弓と矢で多くの人間を殺してきた。もう後戻りはできない。

出会いとは重力、その運命に逆らうつもりはない。

お前はもう弟でも何でもない」と目にうっすら涙を滲ませながら

強く言い放ち、謎のスタンド(原作とは違っていた?)の攻撃を

億泰をかばって身体に受ける形兆。最期は一筋の涙を流して散っていきました。

 

終始冷静で神経症っぽい雰囲気から仗助のクレイジーダイヤモンドの反撃で傷を負い

それでも弓と矢をずっと抱えて離さず、化け物になった父親(原作ではなぜ化け物になったのか説明があるんですが映画では省略)について憎しみを持ちながらも

「普通に死なせてやりたい」と複雑な愛情を持っている形兆。(こんな人4~6月くらいに見ましたねぇ。山田春彦でしたっけ?)

ヒステリックに父親を蹴り上げる狂気とそうでもしないと正気を保てない哀しさが

伝わってきました。

あんな髪型なのに表情はリアリティがあって、でもやっぱり実在はしなさそうな

バランスが見事でした。マンガっぽくなりすぎないギリギリのところという感じ。

想像以上に形兆でした。

 そして何より声の良さ。銀魂でも思いましたけど映画館のスピーカーから聞こえてくる

岡田くんの声は格別だと実感。見た目以上に声に力がある役者さんです。

個人的に面白いというかギャップあるなぁと思ったのが形兆の話し方でした。

端正なルックスから出てくる言葉が「ぶっ殺せ」「おめえ」「〜ねえんだ」等々、

チンピラ口調というか兄貴口調?なのがちょっと新鮮でしたね。

 

 

勝手に心配していた実写版「ジョジョの奇妙な冒険」はひとまず安心できる

作品(なんでこんなに上から)になっててよかったです。

 

まだ第一章ということで続編も作られそうですが、形兆は死んじゃったからジョジョが大好きな岡田くんの出番はないのかなぁ。

違う役で呼んでくれませんかね。ご本人も出たそうだったし。

秘かに期待しています。

 

余談ですが、今回のスペインロケで岡田くんは風呂場で滑って転んで

頭を打って意識不明となり頭を5針縫ったそう。

これ、スペインロケじゃなくて日本ロケだったらすぐに報道されて

大騒ぎになっていたのではないかと思います。

ジャパンプレミアで三池監督がばらすまで知られてなかったし

言っちゃいけないことだったみたい。

恐らく、岡田くんは事務所からこっぴどく怒られたと思います。

自分の不注意で怪我したら撮影スケジュールに影響出るし

周りに迷惑がかかる。想像ですが相当落ち込んだのではないかと。

今では笑い話として話せますが、一歩間違えば命に関わることだし

正直最初に聞いたときは凍り付きましたよ。

今元気でいてくれるからいいけど。

ほんとに気を付けてくださいね。あなたに何かあったら

どれだけの人が悲しむか。ほんと生きてくれててよかったと

心の底から思いました。