小さな巨人第9話「お父さん、父さん、父さーん!」
「小さな巨人」第9話。いよいよセミファイナル(だから違う)
とうとう山田くんと山田父の確執について語られました。
なぜ山田くんがどうしても捜査一課長にならなきゃならないのかの理由も。
「僕の父は昔から僕の存在などないもののように扱っていました。
でも父はキャリアとして警察組織のトップにたち日本の治安を守る刑事課長
という立派な使命を果たしていた
僕も父のような人間になるんだと誇りに思っていたんです。
それがあるとき崩れ落ちた。
父の運転担当だったまつやまよしのりさんという方が亡くなったんです
自殺か他殺かも判明しない不審な死でした。
まつやまさんは僕のことを唯一認めてくれていた人でもありました
勿論父が事件の真相を突き止めてくれると信じていた
けど聞いたんですよ
父が部下に指示を出しているのをもういい。捜査を打ち切れ。自殺として処理しろ。死んだ人間はどうでもいい。
生きている組織のほうが大事だ
全て隠蔽しなさい
父は事件の隠蔽を指示していたんです
松山さんは父が政界に出るためにいろいろと手を汚すこともしていた。
父にとっては彼が秘密を抱えたまま死んでくれたことは都合がよかったわけです。
正義を守るべき人がまるで逆のことをしていた。
全ては幻想だったんですよ
父に対する誇りなど消えて後に残ったのは怒りだけだ
この事件は未解決のままです
それを掘り起こし父の悪事を暴いてやる、そう思って今まで生きてきました
松山さんが亡くなったのが今学園のある豊洲、その事件が17年前
父と早明学園との癒着が始まったのも17年前
これは僕の勘ですが、単なる偶然ではない
今ならそれが暴ける」
理想としていた父の姿は幻想だった、裏切られた、だから復讐する。
というロジック。へ?おいおい、それってストーカーじゃない。
なんと山田くんは根っからのストーカー気質だったのでした。
思い切って父と対面し、そのことを告白したら父に
「春彦(ここちょっと萌えた)。
お前こんなことがしたくて警察官になったのか」と言われてしまうのもしょうがない。
一生懸命眉間に皺寄せて頑張って対峙したのに
(父は背を向けたまま)振り返りざまにそんなこと言われたら
泣くよね、そりゃ。顔がどんどん崩れて子どもの顔になっていく。
↓グーグル先生懇渾身のコラージュ。
小野田一課長も山田に向かって
「お前のその青臭い自己満足の正義と副長官の行ってこられたことと
どっちが国のためになっているんだ」と言い、何も言い返せず
悔しそうに下を向く山田くん。
とうとう父には
「小野田くん、この男連行してくれ。不法侵入だ」と言われて
さらに追い打ち。もう山田くんのハートはずたずた。
ふり絞るように「お父さん」と言っても
「誰のことだ」と言われてしまう。
最後は何も言葉が出ず「父さん、父さん、父さん」と叫ぶだけの
山田くんはあまりにも愚かで愛しく切ない。
ずっと父のことを「あなた」「あの人」と呼んでいて
ようやく「お父さん」と泣きながら言ったのにこの仕打ち。
小野田一課長に抱きかかえられるようにして連れていかれちゃいました。
あまりにも山田くんは純粋でナイーブで警察組織の中で戦うには
武器がなさすぎた。
ストーカー気質の困ったちゃんとはいえ、17年もの間その思いを秘めながら
恐らく必死に勉強し、東大に入り警視庁捜査一課長の運転担当まで来たのだから
優秀なんだろうと思いますが心が子どものままだった。
小野田一課長も山田くんの取り調べに際しては香坂さんを追い詰めるような調子では
なくお茶をすすめたり、取引をしようと言ってみたり
「話してみろ」と体をくねらせたりと優しく追い詰めます。
(ゆとり世代対応?)
しかし一途な山田くんは香坂を裏切ることはしませんでした。
やはりピュア、どこまでもピュア。
↓小野田一課長の目を見ろと言われて口を真一文字に結び少し微笑んだようにも見える。それでも香坂さんのことは裏切りませんでした。流れる鼻水までもきれい。
山田くんは留置場に捕らわれたまま、17年前の事件の裏切者は香坂父だったと
小野田一課長が香坂に詰め寄ったところで終わり。
いよいよ最終回へ。山田の笑顔を見ることができるのか?
実は今回、山田くんの泣き顔もさることながらつくづくすごいと思ったのは
小野田一課長演じる香川照之さんの持ち手の多様さ。
どんだけ抽斗があるんだろう?と今更ながら感服。
時間あればそのあたりも細かいつっこみどころと合わせて改めて書いてみたいと
思います。小野田一課長まで思わずスクショ取りましたわ。