おうちに帰ろう

心茲にありと

2017年夏の思い出 ジョジョにはまった夏でした②

①で思いのほかアンジェロと形兆の会食シーンへの言及を長くしてしまったので

もう少しサクサク書いていきたいと思います。(書けるかな)

 

仗助と祖父の良平との関係も映画オリジナル演出が効いていました。

特に良平じいちゃんについては、原作では登場してあっという間にアンジェロに

殺されてしまうのですが、映画では冒頭からアンジェロを追い詰めるシーンがあり

アンジェロが良平を襲う動機を明確に示しました。

また、コンビニ強盗として登場する若者にも映画では吉沢正哉(と友人の平田)

という名前を与え、良平が二人の若者と交流があり

恐らく過去に何等か問題があったけど今は更生したようなやり取りがあります。

二人ともアンジェロに襲われ平田は不審な死を遂げ

吉沢はコンビニを襲うという事件が発生し良平は二人を守れなかったと

自分を責めるという警官としての誇りを強く持っている人物という印象を

強く与えました。

年甲斐もなくダンベルで身体を鍛えたりちょっとお茶目なところもあり

それも町を守りたい気持ちからでその後の仗助の行動に影響を与える人物として

原作以上に重要な位置づけとなっています。

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ジョジョの物語の大きなキーワードの一つに「黄金の精神」というものがあります。

長いシリーズの中でたくさんのエピソードを重ねる中で見えてくる「黄金の精神」

第一章で少しでも見えるようにするために良平じいちゃんの警官として

町を守ることに人生を捧げる姿を見せることで

仗助に引き継がれる町を守る強い気持ちを原作以上に感じさせてくれました。

実際、仗助は原作だと今回映画化された部分あたりまでは

まだ町を守る行動は起こしておらず

康一くんの方が何とかしなきゃという意識が強いです。

原作では虹村邸で形兆のバッドカンパニーとの戦いに勝った後も

弓と矢の所在がわからないままなのにここは何かヤバイ感じがするから

さっさと出ようとします。

康一くんはこれ以上この町に犠牲者が出ないように弓と矢を探して処分しなきゃと

強く言い一人で屋根裏部屋に行こうとするのでしぶしぶついていくのですが、

映画では自分から進んで屋根裏部屋に行き康一くんは仗助くんは

怪我してるから僕が行くと言う流れになっています。

原作のように話を積み重ねて仗助を成長させる時間が映画にはないので

良平の死の重みを原作以上に描くことで一気にヒーローらしく

変貌する仗助として表現していたように思います。

 

そして演じる山﨑賢人くんもじいちゃんが死んだあたりから表情もグッと締まり

特に虹村邸に入ってからは驚くほど男らしい表情を見せてくれます。

冒頭の登場シーンのときはまだぼんやりした高校生の表情なのですが

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バッドカンパニー戦での康一くんを守りながら嵐のような砲弾を受ける姿は

神々しくもありました。

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虹村邸に入ってからの後半は形兆が主役のように物語を引っ張りますし

悲劇性が強くどうしても気持ちが惹きつけられて切なくなりますが

仗助がどっしりと形兆のつらさを受け止めてるところがかっこよく

弓と矢は渡さねえ!

と頑な態度を崩さない形兆をじっと見つめる瞳は年下なのに包み込むようで

仗助の人としての大きさを感じさせました。

主人公って基本的には受けの演技ができないと

いけないと思うんですが、このときの山﨑賢人くんの受け止め方は

主役として肝が据わっていて素晴らしかったと思います。

 

康一くんは転校生として登場するところが原作との最大の違いですが

年齢設定を高校1年から2年に変更したことで、仗助たちとの出会いから

描くには転校生にしないと語り部として登場しにくくなるからなのでしょうかね。

康一くんに関しては最後にスタンド使いにはなりますが、

まだスタンド能力についてはわからず第二章に持ち越されます。

原作ではジョジョ四部の主人公は康一くんではないかと思えるほど

彼が一番成長するしジョジョのテーマである「人間賛歌」と「勇気」の

「勇気」の大半を康一くんが担っていると思いますが

第一章に関してはほんの少し、ひとりで虹村邸に入っていこうとする仗助に

ついていくシーンとスタンド誕生のシーンの場面で感じるくらいでしょうか。

それでも康一を神木くんが演じてくれてよかったと思えるのは

驚いたり戸惑ったりしながらも仗助や億泰を受け入れる包容力と

スタンド誕生のときの怒りの表情が康一くんそのもので

康一の魅力を多彩な表現で演じてくれたことです。誰と並んでも違和感なく

馴染めてしまうという魅力は神木くん、康一の双方に共通する部分ではないかなと

思いました。

第二章以降での活躍がほんとに楽しみです。

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由花子さんは原作ではまだ登場しないはずなのにしっかり登場してきて

康一くんについて尋常じゃない絡み方をしていてすでに怖い。

最後に意味深にほほ笑むところとか、短い出番ながらかなり強い印象を残しました。

第二章なかったらこれで終わりなんて嘘でしょって思うので

絶対やってくださいね。

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映画の限られた時間の中で原作のテーマを根底に感じさせキャラクターの個性も

成長していて何回見ても新たな発見があり飽きることがありませんでした。

 

ということで第二弾はこのへんで。もう少し続きます。