おうちに帰ろう

心茲にありと

「秘密 THE TOP SECRET」

8月6日公開初日に映画「秘密 THE TOP SECRET」見てきました。

映画上映後の舞台挨拶で(私はLVにて鑑賞)主演の生田斗真くんが

「オリンピックの開会式ではなくこの映画を選んでくれてありがとう」

とおっしゃってましたが、自分でも開会式見ないで初日の9:30上映に

出かけたことにびっくり。何となく行かないといけないんじゃないかな

という気分で行きました。

見終わった直後に思ったことは日本ぽくない、無国籍な雰囲気の映画だな

ということ。

映像に出てくる街並みとかは日本なのですが、伝わってくるものが日本的じゃなくて

監督がおっしゃるところの「熱量」がこれまでの日本映画にないものだと

感じました。

「熱量」という言葉で表現されるように非常に暑苦しいんですよ、終始。

ただそれは悪い意味じゃなく、よくも悪くも日本映画に感じられる

あっさり感(わびさび的な?)とは無縁で、映像として表現されている情報量が多すぎて

見ていて思わずしり込みしていく感じになります。

脚本家チームに韓国の方が参加されているのも一因かなと思いました。

設定は2060年の日本らしいのですが、パンフレットの美術担当(橋本創さん)のインタビュー内で、

その頃の日本は人口も減り、外国人も増えているから

シンガポールや香港、台湾に近いのではないかということでアジア各国にリサーチに行ったとのこと。

そういうところも無国籍感に表れているのかな。

キャスト陣の熱量もすごかったですね。

生田斗真くんは冷静さとその仮面が外れたときの脆さの落差が素晴らしく

彼じゃないと表現できなかったんじゃないかなと思いました。

あと出番は少ないけどインパクト大の松坂桃李くん。

パンフレットに撮影が終わったらカラカラでした、とあったけどテンションが凄まじかった。

鬼気迫るものがあり、こういう演技もするんだと新たな一面を見た思いです。

大森南朋さんはオールドスタイルの刑事役がどはまり。汚いのに色っぽい。

原作にはないオリジナルキャラクターで、韓国人ライターの発案だそう。

なるほど。そんな感じ(どんなだ?)でした。

あと驚異の新人織田梨沙ちゃん。表情がシーンごとに目まぐるしく変わり、

この子とは全く意思疎通ができなさそうな雰囲気をまき散らしていて

恐ろしかったです。

先日、舞台で見たばかりの大倉孝二さんは終始真面目でした。

ふざけない大倉さんはスタイルもいいので大変かっこよかったです。

そしてそして岡田将生くん。監督が「太い幹をさがしあてたい」と

語っておられましたが完成形ではないけれどがっちりした芯のようなものが

内面に見えたような気がしました。

役者岡田将生の骨格を形成する上で重要な作品にになったのかなと

いうか。近年の作品では、少し抜けた役が多く

それはそれで好きですが、本来の彼の資質(避けては通れない規格外の容姿も含めて)

を考えると、それが本流になると役柄が狭まってしまうのではと思ってました。

そんな懸念を覆す堂々たる正攻法の男っぷり。

真面目でエリートで過去につらい体験を負っていて正義感もあり優しさもある。

人としての条件が完璧でありながら、どこかバランスが悪く失敗もする。

そんな人を演じられる貴重な人かもしれません。

舞台での輝きと比較すると映像作品では彼の良さはあまり引き出せないのかなと

思ってましたが杞憂でしたね。

この映画の撮影は1年前だそうですが、

最近のドラマ「掟上今日子の備忘録」「ゆとりですが何か」は

安定の抜けている岡田くんなんだけど、振り返ると抜けっぷりが一皮むけた

感じがしたのはこの作品を経験したからなんですかね。

特に「ゆとり~」ではどこか突き抜けた感じがしたので、何かしら

影響あったのかなと思ったりしました。

 

あと、細かいところでは男性陣がほぼスーツ姿で

特に第九の面々はスリーピースを着用しているのですが

中に着ているベストがボタンじゃなくて袷でフックで

止めるような形になってて、ちょっと面白いなと思いました。

ジャケットの形はオーソドックスなイングランドスタイルなんですが

ベストが近未来風なんですね。

 

夏休み映画としてはちょっと分が悪いかなとも思いますが

見終わって1日経ち、じわじわ来てます。もう一度見返してみたいなと

思い始めているところです。