おうちに帰ろう

心茲にありと

2017年夏の思い出 ジョジョにはまった夏でした②

①で思いのほかアンジェロと形兆の会食シーンへの言及を長くしてしまったので

もう少しサクサク書いていきたいと思います。(書けるかな)

 

仗助と祖父の良平との関係も映画オリジナル演出が効いていました。

特に良平じいちゃんについては、原作では登場してあっという間にアンジェロに

殺されてしまうのですが、映画では冒頭からアンジェロを追い詰めるシーンがあり

アンジェロが良平を襲う動機を明確に示しました。

また、コンビニ強盗として登場する若者にも映画では吉沢正哉(と友人の平田)

という名前を与え、良平が二人の若者と交流があり

恐らく過去に何等か問題があったけど今は更生したようなやり取りがあります。

二人ともアンジェロに襲われ平田は不審な死を遂げ

吉沢はコンビニを襲うという事件が発生し良平は二人を守れなかったと

自分を責めるという警官としての誇りを強く持っている人物という印象を

強く与えました。

年甲斐もなくダンベルで身体を鍛えたりちょっとお茶目なところもあり

それも町を守りたい気持ちからでその後の仗助の行動に影響を与える人物として

原作以上に重要な位置づけとなっています。

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ジョジョの物語の大きなキーワードの一つに「黄金の精神」というものがあります。

長いシリーズの中でたくさんのエピソードを重ねる中で見えてくる「黄金の精神」

第一章で少しでも見えるようにするために良平じいちゃんの警官として

町を守ることに人生を捧げる姿を見せることで

仗助に引き継がれる町を守る強い気持ちを原作以上に感じさせてくれました。

実際、仗助は原作だと今回映画化された部分あたりまでは

まだ町を守る行動は起こしておらず

康一くんの方が何とかしなきゃという意識が強いです。

原作では虹村邸で形兆のバッドカンパニーとの戦いに勝った後も

弓と矢の所在がわからないままなのにここは何かヤバイ感じがするから

さっさと出ようとします。

康一くんはこれ以上この町に犠牲者が出ないように弓と矢を探して処分しなきゃと

強く言い一人で屋根裏部屋に行こうとするのでしぶしぶついていくのですが、

映画では自分から進んで屋根裏部屋に行き康一くんは仗助くんは

怪我してるから僕が行くと言う流れになっています。

原作のように話を積み重ねて仗助を成長させる時間が映画にはないので

良平の死の重みを原作以上に描くことで一気にヒーローらしく

変貌する仗助として表現していたように思います。

 

そして演じる山﨑賢人くんもじいちゃんが死んだあたりから表情もグッと締まり

特に虹村邸に入ってからは驚くほど男らしい表情を見せてくれます。

冒頭の登場シーンのときはまだぼんやりした高校生の表情なのですが

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バッドカンパニー戦での康一くんを守りながら嵐のような砲弾を受ける姿は

神々しくもありました。

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虹村邸に入ってからの後半は形兆が主役のように物語を引っ張りますし

悲劇性が強くどうしても気持ちが惹きつけられて切なくなりますが

仗助がどっしりと形兆のつらさを受け止めてるところがかっこよく

弓と矢は渡さねえ!

と頑な態度を崩さない形兆をじっと見つめる瞳は年下なのに包み込むようで

仗助の人としての大きさを感じさせました。

主人公って基本的には受けの演技ができないと

いけないと思うんですが、このときの山﨑賢人くんの受け止め方は

主役として肝が据わっていて素晴らしかったと思います。

 

康一くんは転校生として登場するところが原作との最大の違いですが

年齢設定を高校1年から2年に変更したことで、仗助たちとの出会いから

描くには転校生にしないと語り部として登場しにくくなるからなのでしょうかね。

康一くんに関しては最後にスタンド使いにはなりますが、

まだスタンド能力についてはわからず第二章に持ち越されます。

原作ではジョジョ四部の主人公は康一くんではないかと思えるほど

彼が一番成長するしジョジョのテーマである「人間賛歌」と「勇気」の

「勇気」の大半を康一くんが担っていると思いますが

第一章に関してはほんの少し、ひとりで虹村邸に入っていこうとする仗助に

ついていくシーンとスタンド誕生のシーンの場面で感じるくらいでしょうか。

それでも康一を神木くんが演じてくれてよかったと思えるのは

驚いたり戸惑ったりしながらも仗助や億泰を受け入れる包容力と

スタンド誕生のときの怒りの表情が康一くんそのもので

康一の魅力を多彩な表現で演じてくれたことです。誰と並んでも違和感なく

馴染めてしまうという魅力は神木くん、康一の双方に共通する部分ではないかなと

思いました。

第二章以降での活躍がほんとに楽しみです。

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由花子さんは原作ではまだ登場しないはずなのにしっかり登場してきて

康一くんについて尋常じゃない絡み方をしていてすでに怖い。

最後に意味深にほほ笑むところとか、短い出番ながらかなり強い印象を残しました。

第二章なかったらこれで終わりなんて嘘でしょって思うので

絶対やってくださいね。

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映画の限られた時間の中で原作のテーマを根底に感じさせキャラクターの個性も

成長していて何回見ても新たな発見があり飽きることがありませんでした。

 

ということで第二弾はこのへんで。もう少し続きます。

 

 

2017年夏の思い出 ジョジョにはまった夏でした①

8/4に公開された「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」の

劇場公開が東京では10/5にすべて終了しました。

公開から2か月、結局18回見ました。見終わった今、まだまだ見たい気持ちでいっぱい。

公開直後に書いたときにはここまでハマると思っていませんでした。

 

あれから原作を一通り読み、そうすると映画も観たくなり映画を観ると原作を読み返し

また映画を観るの繰り返し。途中からアニメ版も見始めたらさらに加速。

上映回数も減っていくなかでジョジョ映画を追い求めて西へ東へ。

初めて行く映画館にもたくさん足を運びました。

 

原作やアニメと実写映画を比べると映画はオリジナルシーンがかなり多いのですが

ジョジョの世界を映画で表現するために濃縮して抽出したような演出で

原作やアニメにはない独特の世界を作っていたような気がします。

 

原作のジョジョの奇妙な冒険第四部は他のシリーズとは異色で

杜王町という町から一歩も出ません。主人公の東方仗助を中心に

同級生の広瀬康一虹村億泰の3人組が主な登場人物で

空条承太郎という3部の主人公が仗助の甥という設定で登場し、

杜王町に潜む殺人鬼のスタンド使い吉良吉影を倒すというのがメインストーリー。

今回映画化された部分にはまだ吉良は登場せず、康一くんは転校生として仗助と出会い

億泰は敵方として登場し最後に仗助の仲間になって終わり。

なのでほんのさわりの部分です。

 

今回の第一章でメインキャストとなっているアンジェロ、

虹村兄弟については映画オリジナル部分でかなり魅力が付加されたと思っています。

 

アンジェロと虹村形兆の出会いのシーンがまずドラマチック。

 

黒マント姿で弓と矢を構える形兆にまず意表を付かれます。殺人現場から逃げているアンジェロの前にいきなり現れるとは思いませんでした。

 

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アニメ版形兆

原作の形兆のイメージはかなりごつくてゴリラと呼ばれているくらいなのですが

「出会いとは重力。重力とは愛ー仲間。おめでとう、お前は選ばれた」

と矢を射られて倒れているアンジェロを見下ろしながら言う

形兆の美しさったらない。岡田将生くんが演じてる以上

ゴリラにはなり得ないと思っていましたが想像以上に耽美的でした。

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原作の形兆とは全く違う姿でしたが、ジョジョの登場人物としての妖しい美しさが滲み出ていてジョジョの世界がこれから始まるんだって思わせてくれる登場シーンだったんじゃないかなと勝手に思ってます。

 

アンジェロと形兆がレストランで会食するシーンも映画オリジナルなのですが

考え付いた人は天才だなって思いました。

このシーンの前に黄昏時の街中を歩く形兆の背後にアンジェロが立っていて

形兆が振り返ると矢を射るポーズを取るのですが、この二人が街中で出会って

食事する展開なんて原作からは想像できないんですけど

もはや映画が二次創作の世界に入ってるのかなと思うくらい。

クラシックな装飾のレストランで向かいあい

形兆は几帳面にステーキをナイフとフォークで食べ

アンジェロは山盛になったチキンらしき肉を手づかみで肉と骨をばらし

しかもその骨をコップの水でちゃぷちゃぷと洗うという意味不明な行動。

山田孝之のアンジェロは原作のおじさんアンジェロをさらに猟奇的な変態に仕上げて

素晴らしかったですね。

スタンド使いになって殺人を繰り返すアンジェロが

人殺しのジャマをされた高校生(仗助)を許さねえと言ったときに

「自分の父親もジャマだから殺したのか」

と問いかける形兆。

「オレがこうなったのは全部あの男のせいだ、あの男には憎しみしかなかった」

とアンジェロは答え

「あんたはどうだ。親が憎くないか?いつだって俺が始末してやる」

と言うと形兆は黙ったままいきなりスタンド攻撃を仕掛ける。

ここ、18回見ても見るたびに形兆の表情が違って見えて

なぜアンジェロを攻撃したのかわからないんですよね。

形兆は父親を殺すスタンド使いを探すために弓と矢で人を射ることを続けています。

アンジェロは形兆の思惑通りにスタンド使いになったので

父親を殺してくれるかもしれない。

そんな相手を撃つっていうのはどういうことなんだろう?と最初はほんとに

謎でした。

回を重ねるうちに形兆は実は父親を殺すことにためらいがあったのでは

と思えてきました。

死なせてやりたい(殺したい)し憎いと思いたいけど思えない。

それでも弓と矢で人を殺すことは止められない。

そんな葛藤をよそにあっさりと始末してやろうかと言われて狼狽したのかなと。

で、動揺のあまりうっかりスタンド出しちゃったのでは。

バッドカンパニーを相手を攻撃するために使ったことは

ほとんどなかったんじゃないかと思うんですよね。

戦う相手もこれまでいなかったと思うし。

だからあんまりコントロールできていないのではないかと思ったり。

冷静なふりをしているけど心臓はバクバクしてたのではないかと。

このやりとりのとき、ちょっとだけ眉をひそめて視線を下に落とすのですが

その一瞬の表情が微かにうろたえてるように見えたんですよね。

このシーンは色んな方が色んな解釈をしていてどれもなるほどなと思えるもので

正解はひとつではないのかもしれません。

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ジョジョ四部はスタンド使いで死んでしまうのが形兆と

この後にでてくる重ちーと吉良吉影だけなんですよね。

(訂正:エステシンデレラの辻彩さんもでした)

で、人を殺すのがアンジェロと形兆と吉良。

今回アンジェロと形兆を原作以上に掘り下げたのは

第二章以降吉良に繋げるためなんじゃないかと思っています。

だから形兆の最期は吉良のスタンド、シアーハートアタックだったのかなと。

 

うーん、この調子で書いていくとかなり長くなりそうなので

まずは第一弾はここまで。

仗助のことや億泰のことやその他まだまだ語りたい形兆については

また後日。

 

 

 

 

実写版「ジョジョの奇妙な冒険」メモ

大変面目ないことにTwitterにたくさん上げた感想で

虹村形兆の名前を「刑兆」と誤変換してました。

(実はこのブログでも間違っていたのでこっそり修正しています。)

 

あまりにも恥ずかしいので元ツイは消したのですが

内容は備忘録として残しておくためにこちらに記載しておきます。

改めてブログにはもう少しまとめて感想あげたいと思ってますが

ひとまず忘れないように。

以下、羅列です。

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父はいないけど祖父と母の愛情たっぷりにのびやかに育った仗助の男らしさ優しさ大らかさと母を亡くし化け物になった父を抱えて苦悩し追い詰められた形兆の対比がよかった。 仗助、億泰、康一の三人組がもっと見たい。

 

どうしても形兆見た後って眉間に皺が寄って表情硬くなるんだけどそのあと銀魂でヅラ登場するとふぁーって頬が緩む。ハシゴしてこの感覚を味わうのは結構クセになる。

 

康一の「覚えていたんだよ」って無邪気な一言が形兆をさらに追い詰めてるのが背中から映してて次に形兆の顔が映ったときにはもう覚悟を決めた表情になっててどこまでもつらい。お前はもう弟でもなんでもねぇって言うときの目は少し優しかった

 

ジョジョ10杯目。やっぱり気持ちが行くのはラストの仗助と形兆の表情の対比で見るたびに仗助の成長の頼もしさが眩しくて形兆の影が濃くなるのよね。写真が再生されてるとき形兆の目つきがそれまでの狂気が収まって正気を取り戻していくんだけど途中で背中側のカットになり康一の優しいセリフが被さる

 

見るたびにあぁこのシーンもいいなぁ、ここも好きだなぁと思うんだけど地味にツボなのがこのシーンの形兆アニキが別角度から映すとめっちゃ脚広げて座ってるってとこ。いかにも姫っぽい感じで立ってたのに意外とバンカラな座り方なのね、さすがアニキって感じ

 

あのミサ曲みたいの、形兆みがあった…最近のはやりなのか

 

ジョジョ第三部スターダストクルセイダース読み始めてるけどめちゃくちゃ面白い。昨年実写キャスト発表時に岡田くんは花京院ぽいと言われてたけど確かに従来のイメージではそうかもしれない。今形兆見た後だとちょっとスマートすぎるかなって思えるけど。それくらい形兆になってるってことだね。

 

最後、虹村パパがとてもかわいらしくなっててそれはそれでいいんだけど形兆のあの思いはなんだったんだろう…という気にもなるな

 

形兆と仗助の最後のやりとり。原作で父親がどうしてそうなったかを省略しているからセリフのにニュアンスが微妙に違うのね。原作は父親から自分に繋がっている業を断ち切りたい感じ。岡田くんの形兆はそれを踏まえての表情のように見える。

 

形兆まとめの勢いほどではないけど桂まとめも一緒にじわじわアクセス増えてる。相乗効果かしら

 

今日久しぶりに(といっても1週間ぶりだけど)桂さん見て眩しいなぁと思った。黒岡田の形兆と白岡田の桂。どちらも信念を持った人なのにこうも違ってしまうのか。なんだか一層形兆が切なく感じた

 

仗助がちゃんとヒーローとして成長したことで敵役の形兆が引き立つんだよね。いい主人公だったと思うよ。写真を再現するシーンはこの世で一番優しいスタンドのホントに優しい使い方で大好きなシーン。だから形兆のラストがより切ないんだよなぁ

 

今日は5回目だったけど虹村父が写真見るところで普通に泣いた。その前に形兆が「この弓と矢は渡さねえ」って言うと仗助が「勘違いすんな、そいつは後だ。この箱の中が気になる」って写真を元に戻すところ仗助の男らしさと優しさが出ててすごく好きだなぁ。ちゃんとヒーローになってる。

 

あとわかんなかったのがアンジェロと形兆が食事してるシーンでアンジェロが何なら親父さんを俺が殺してやろうかって言った後、形兆バッド・カンパニーで攻撃するところ。形兆の目的を考えるとあれ?と思うんだけどお前ごときがみたいなことなのか

 

億泰が形兆をのぞき込むこのシーン好きだなぁ。

 

昨日見た時よりさらに形兆にグッと来たなぁ。帰りながら原作読み返してみたけど、内面的なものがにじみ出てたと思う。

 

形兆と億泰だけじゃなくて義経と頼朝でもあった。弟二人に挟まれてたんだね。

 

ジョジョの感想もうちょっとだけ。形兆は前半は気高さが印象に残るけどラスト近くになぜ弓と矢が必要なのかを訴える場面の泥臭い感じの方が好み。映画館のスピーカーにのったときの岡田くんの声のすばらしさを実感。

 

桂も形兆も東京には来ないんかね

 

あと親子の物語でもあるっておっしゃってたね。哀しい形兆が見られそうだ。

 

昨日のHulu傑作シアターにジョジョの予告2本と銀魂CM1本入ってた。どっちも初見。形兆兄貴の「オレはもう後戻りすることはできねぇんだよ」にしびれた。

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早く気づけよぉー!バカバカ。

 

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お誕生日記念

本日、8月15日は岡田将生くんのお誕生日です。

今年で28歳になるそうです。

 

twitter上では27歳で演じた岡田くんのいろいろな役の写真がたくさん

流れてきて、ファンの皆さんの愛情を感じる素敵なTLになりました。

 

誕生日とは別に「ジョジョの奇妙な冒険」が公開されたら

並べようと思っていたのが2016年に演じたものリストでした。

映画だと撮影から公開までに1年近くかかるので

同じ年に撮影していてもドラマと映画ではずいぶん時間が空いて見ることになるので

一度1年に演じたものを時系列で眺めて見たかったのです。

ちゃんと追いかけ始めたのが昨年のゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン以降だったので

こんなにもバラエティに富んだ役を演じる役者さんだったんだと

改めて知る機会にもなりました。

 

2016年に演じたもの(撮影順)

映画「何者」(宮本隆良)2016年10月公開

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ドラマ「ゆとりですがなにか」(坂間正和)2016年4~6月放送

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舞台「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」(トーイ&オカザキ)2016年7~8月上演

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ドラマ「絆 〜奇跡の子馬」(松下拓馬)2017年3月放送

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映画「銀魂」(桂小太郎)2017年7月公開

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ドラマ「不便な便利屋スペシャル 初雪」 (竹山純)2016年12月放送

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映画「ジョジョの奇妙な冒険」(虹村形兆)2017年8月公開

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こうして見ると現実離れした就活生から始まってゆとり世代サラリーマン、

いたいけなゴーゴーボーイにチャラい芸能マネージャー、

震災で亡くなってしまう牧場で働く実直な青年、攘夷志士の狂乱の貴公子、

妄想癖のある脚本家、主人公の敵役のスタンド使いの青年と

リアリティのある役から漫画の2次元キャラまでと振れ幅の大きい役が続きました。

 

個人的に刺さっているのは地味ながら「絆」の松下拓馬くんだったりします。

長靴に作業着、キャップ姿で馬の世話をするような土の匂いを感じるような役

をあまり見たことがなく、少しだけ訛った話し方と牧場で働く若者らしく

腹から声を出すいつもよりやや太めの声が新鮮でした。

常に前向きなままあまりにも突然の出来事で亡くなってしまうので

かなり衝撃が大きいのですが、回想シーンでは笑っている場面が

たくさん出てくるのでより喪失感を感じるドラマでした。

 

あとは再登場の竹山純くん。2015年放送の「不便な便利屋」の続編でした。

彼も好きですねー。とにかく思い込みが激しくてすぐ空回りして

回りを騒動に巻き込んだり巻き込まれたりとかなり迷惑な彼。

でも憎めないんですよね。定期的に会いたくなります。

また赤平で集まってほしいなぁ。大泉さんとのアドリブはメイキングのお楽しみ。

今回は5分にもわたるアドリブ合戦は涙出るほど笑いました。

天才二人の掛け合いですね。お腹イタイ。

 

「何者」の隆良は映画の登場シーンでなぜか笑いがこみ上げちゃうんですよね。

出たぁー!ってなっちゃう。

現実を見ない上っ面だけの彼なんですが、最後にちゃんと向き合う成長を

見せるところがかわいくて、結局はいい子だった。

メイキングのインタビューで有村架純ちゃん演じる瑞月に追い込まれるシーンで

「もうやめて、これ以上言われたら隆良泣いちゃうから」って話してたのも

面白かったです。自分と役との距離感の取り方が近いようで俯瞰になってるところが

へー、そういう感じなんだって思いました。

 

2017年に入ってからは「北風と太陽の法廷」で天真爛漫なキャラ

(でも実は頭が切れる)

小さな巨人」でクールキャラ(でも実は少し天然)と変化球もたくさん。

そのあとは今撮影中の映画「伊藤くんAtoE」で

モンスター級の痛男を演じるらしいです。

昨年に比べるとややペースダウン?いや、まだ発表になってないものが

あるかもしれませんが、昨年の充実ぶりが伺えますね。

今年はまだ舞台がないのが残念なところ。後半に向けてびっくりするような発表を

期待したいです。

 

過去作にまでなかなか手が回らず、CSなどで再放送やってるものを

ちまちま見ているくらいでえらそーなことは全然言えないのですが

昔の作品を見てしみじみ感じるのは当たり前なんですが

ちゃんと大人になってるんだなぁということ。

その歳なりに役が変化しているので次はどんな役が来るのか本当に

楽しみです。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章

製作発表から約1年。

待ちに待ってた「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章」が

昨日8/4より公開されました。

 

昨日1回、本日舞台挨拶を含めて2回、公開2日で3回見てきました。

 

原作については実写化発表前までは「アメトーーク!」のジョジョ大好き芸人で

知った程度。ざっくりとどんな世界観なのかは知ってるけど

詳しいストーリーは知らない。

今回映画化された第四部の序盤のみをやっつけで読みました。

 

絶大な人気を誇るコミックの実写化だし、スタンドという独特な武器というか超能力を

映像化しなくてはならないので、実際に作品を見るまではドキドキでした。

 

現在も連載中のジョジョの中で日本が舞台になっている唯一のパートらしいのですが

今回の映画のロケ地はスペインのシッチェスというバルセロナから1時間程度で行ける

海辺の町。これが大当たり。

そもそもジョセフ・ジョースターという主人公から始まった物語なので、

今回の主人公が東方仗助と言われても服装も髪型も無国籍な雰囲気。

恐らく日本のどこかの街角にいたら浮きまくりなキャラ設定ばかりなので、

いっそ海外でロケをするというアイデアは秀逸だと思いました。

どうやってもコスプレにしかならない衣装でも無理なくドラマとして成立したのは

いかにも南ヨーロッパな路地や協会が背景にあったからだと思います。

 

 

初日に見終わった直後の第一印象は「あ、ちゃんと映画になってた…」でした

(ハードル低すぎ)。

三池監督の職業監督としての優秀さが発揮されてるなぁと。

第四部だけでもコミックで19巻分もあり今回はほんの触りの部分のみの

映画化だったのでもう少しテンポよくすればもうちょっと

エピソード入れられたんじゃないかなぁという気もしますが、

初の実写化なのでキャラクターを丁寧に描いたのかなと思いました。

 

冒頭のアンジェロがスタンド使いになるまでの件はジョジョというより犯罪ものの日本映画のような味わいで三池さんのダークな画造りがアンジェロの凶悪な

キャラクターを表すのにぴったり。

そのあと虹村形兆に矢を射られるシーンになると一転ゴシックファンタジー風になり

ジョジョの世界観に入っていく演出はうまいなぁと思いました。

このシーンは原作にない映画オリジナルの演出なのですが、

いきなり空条承太郎を出さずにアンジェロから持ってきた方が違和感なく

ストーリーに入れたと思います。

映画の最初に出てくるスタンド使いが形兆で「出会いとは重力」というシリーズを貫くジョジョのテーマと言えるようなセリフを言わせるあたり、この作品における形兆が大きな存在であることが伺え、ファンとして一気にテンションがあがりました。

(こんなに最初から出てくると思わなかったので!)

 

そのあとはスタンド使いになったアンジェロは仗助によって岩になり

アンジェロを倒した仗助と虹村兄弟の戦いが後半に描かれます。

スタンド同士の戦いなので全面的にCGになってしまうんですが

原作のイメージを膨らませチープ感もなく躍動的に描かれていて素晴らしいなと

思う反面、これは設定だから仕方ないんですけど

もう少し人物が動いてほしいとも思いました。

役者さんたちは自分があまり動かない状態でアクションシーンが展開されるので

むしろ演技が大変だっただろうなぁと思いました。

実際に殴り合わないのでね。

 

主人公のジョジョを演じた山﨑賢人くんは仗助の優しさと強さを自然体で

演じてたように見えました。いや、ジョジョなのに自然体って、

思うかもしれませんが何の違和感も力みもなく

「グレートだぜ」ってセリフがすっと耳に入ってくるって

なかなかできないですよね。よかったと思います。

 

あとは虹村弟の億泰を演じた新田真剣祐!すごーくよかったです!

ちゃんと演技を見たのは「僕たちがやりました」が最初で次がこの億泰なのですが

声も表情も全然違う。バカなんだけど憎めない弟っぽさが全開で

これで「アニキぃ!」って来られたらそりゃかわいがっちゃうでしょうよと思いました。

 

そして岡田将生くん。 

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原作を読んだ時点で哀しくて切ない人物だなぁと思っていた虹村形兆

弟の億泰を足手まといといいながら、仗助が父を救うスタンド使い

探すためなら協力するといい、こんなことはもう止めようという億泰に

「この弓と矢で多くの人間を殺してきた。もう後戻りはできない。

出会いとは重力、その運命に逆らうつもりはない。

お前はもう弟でも何でもない」と目にうっすら涙を滲ませながら

強く言い放ち、謎のスタンド(原作とは違っていた?)の攻撃を

億泰をかばって身体に受ける形兆。最期は一筋の涙を流して散っていきました。

 

終始冷静で神経症っぽい雰囲気から仗助のクレイジーダイヤモンドの反撃で傷を負い

それでも弓と矢をずっと抱えて離さず、化け物になった父親(原作ではなぜ化け物になったのか説明があるんですが映画では省略)について憎しみを持ちながらも

「普通に死なせてやりたい」と複雑な愛情を持っている形兆。(こんな人4~6月くらいに見ましたねぇ。山田春彦でしたっけ?)

ヒステリックに父親を蹴り上げる狂気とそうでもしないと正気を保てない哀しさが

伝わってきました。

あんな髪型なのに表情はリアリティがあって、でもやっぱり実在はしなさそうな

バランスが見事でした。マンガっぽくなりすぎないギリギリのところという感じ。

想像以上に形兆でした。

 そして何より声の良さ。銀魂でも思いましたけど映画館のスピーカーから聞こえてくる

岡田くんの声は格別だと実感。見た目以上に声に力がある役者さんです。

個人的に面白いというかギャップあるなぁと思ったのが形兆の話し方でした。

端正なルックスから出てくる言葉が「ぶっ殺せ」「おめえ」「〜ねえんだ」等々、

チンピラ口調というか兄貴口調?なのがちょっと新鮮でしたね。

 

 

勝手に心配していた実写版「ジョジョの奇妙な冒険」はひとまず安心できる

作品(なんでこんなに上から)になっててよかったです。

 

まだ第一章ということで続編も作られそうですが、形兆は死んじゃったからジョジョが大好きな岡田くんの出番はないのかなぁ。

違う役で呼んでくれませんかね。ご本人も出たそうだったし。

秘かに期待しています。

 

余談ですが、今回のスペインロケで岡田くんは風呂場で滑って転んで

頭を打って意識不明となり頭を5針縫ったそう。

これ、スペインロケじゃなくて日本ロケだったらすぐに報道されて

大騒ぎになっていたのではないかと思います。

ジャパンプレミアで三池監督がばらすまで知られてなかったし

言っちゃいけないことだったみたい。

恐らく、岡田くんは事務所からこっぴどく怒られたと思います。

自分の不注意で怪我したら撮影スケジュールに影響出るし

周りに迷惑がかかる。想像ですが相当落ち込んだのではないかと。

今では笑い話として話せますが、一歩間違えば命に関わることだし

正直最初に聞いたときは凍り付きましたよ。

今元気でいてくれるからいいけど。

ほんとに気を付けてくださいね。あなたに何かあったら

どれだけの人が悲しむか。ほんと生きてくれててよかったと

心の底から思いました。

 

一周年

はてなブログさんから「開設して1年が経ちました」とお知らせメールが来て

ええ?1年前の今日?と驚きました。

ブログそのものは場所を変えながら10年以上細々と続けているんだけど

はてなに引っ越してきてから1年ということでした。

 

何でこのタイミングで引っ越ししたんだっけかなぁと最初のエントリを

確認しました。

unatamasan.hatenablog.com

 

そうか、もっと広く浅くいろいろなこと書くつもりだったんだなぁ。

最初の頃はせっせと映画とか美術展や舞台について書いてたけど

あっさり頓挫。

結局今では推しのことをあーだこーだいうブログになっちゃってます。

行きつくところはやっぱりそこか。

しかし1年前の今日(2016/7/24)の時点ではそんなつもりは全くなく

翌7/25に「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」を見て足元を掬われるなんて

思いもよらなかったのに、ブログを心機一転していたとは

虫の知らせだったのか。

 

そんなこんなでだいぶ当初と趣旨が変わってきましたが

あまり何を書くかは限定せずにゆるゆる続けていきます。

よろしくお願いします。

 

1年前に何か写真撮ってたかなと漁って出てきた写真がなぜかこれでした。

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映画「銀魂」雑感

(最初にお断りしておきますが長いです。)

 

ジャパンプレミアから待つこと2週間余り。

7月14日に待ちに待った映画「銀魂」公開されました。

 

平日金曜日だったので前々からこの日は会社は休むと決めていました。

朝一の回から舞台挨拶付き2回と合わせて3回

土曜日は前日を反芻するために1日休み

本日日曜日に1回とジャパンプレミアを入れて合計5回見てきました。

 

舞台挨拶の様子はこちらを参照↓

togetter.com

 

ジャパンプレミア後に第一弾感想も書いてるので

そちらもどうぞ。

unatamasan.hatenablog.com

 

まずは映画全体の感想を。

ジャパンプレミアの時はキャスト勢揃いの爆笑の舞台挨拶の余韻もあって

あっという間に終わってしまった感じの映画本編。

改めてちゃんと見てみると、福田監督が原作のイメージに忠実にしたかったと

仰っているだけあって、アニメ劇場版を見返してみたんですが

場面の絵作りもかなり寄せていて、実写だったらもう少し違う表現が

できるんではないか、っていうところもあえてそのままにしているようでした。

カット割りが非常にアニメっぽいんですよね。

いやな言い方をするとちょっと「紙芝居」っぽい場面転換もあったりして

視点があんまり動かないんですよね。

奥行があんまり感じられないというか平面的な画面になっています。

銀時が鬼兵隊の船に乗り込み「宇宙一ばかな侍だコノヤロー!」と

登場するシーンも普通の実写映画だったらヒーローらしく

もう少しかっこよく登場しそうなところを乗り込むところはスパッと映さず

(アニメ版がそうなっている)

いきなり船の甲板に立っているとか、実写ならではの外連味のつけ方みたいなことを

あえてやってないところが却って潔いと思いました。

真選組の出番を多くするための冒頭のカブト狩りエピソードも

無理があるなと思いつつも人気キャラクターである真選組の説明のためには必要で

そこにちゃんと桂小太郎の登場も入れることで、

銀時と桂の関係の説明に続けられるので

映画として成立してるところもうまいなぁと思いました。

 

似蔵と銀時の決着のつけ方も

アニメで見たときもそれまでのやり合いの激しさに比べてあっさりしてるなぁと

思ったんですがそこも忠実。

 

これまでの福田組との一番の違いは予算とのことでしたが、それでもバジェットが

限られてるんでセット組めないと銀魂ビジュアルブックで仰っているので

お金をかけるところを工夫されたんだと思います。

アクション監督は韓国のアクション専任スタッフがついたとのことで

殺陣というより振付のような要素もあり、特に堂本剛さん演じる高杉と

銀時とのアクションシーンはテンポよくリズミカルで流れるようなアクションでした。

似蔵役の新井浩文さんはアクションはほとんどやったことがないということでしたが

背も高いので銀さんとの対決シーンは迫力あり、紅桜に侵食された状態での

やりあいは型にはまってないところが面白かったです。

柳楽優弥くん演じる土方とも対決するし、新井さん、ほとんどアクションしかしてない

んじゃないでしょうか。一番大変そうでした。

 

真選組の3人は鬼兵隊の船に乗り込むやり取りがサイコーで

あれは勘九郎さんじゃないとできない落差ですね。

その勘九郎さん演じる近藤さんをあっさり見放す

土方と沖田も面白かった。吉沢亮くんの沖田の「万事屋のダンナ」って言い方

結構好きでした。土方さんを似蔵に差し出してサムアップする表情もよかったです。

柳楽くんの土方は冒頭の近藤さんとのやりとりが一番好きでした。

初回に見たときには記憶から飛んでたんですが、似蔵とも戦ってて

そうか結構アクションしてたんだなと思いました。柳楽くんにアクションのイメージ

なかったから新鮮でしたね。

 

早見あかりちゃんと安田顕さんの村田兄妹も好きでした。

ヤスケンさん演じる村田鉄矢はとにかく声が大きい役で一本調子になりがちな

大声のセリフを言い続けるって大変じゃないかなぁ。

最後に鉄子にお前はどんな刀を作りたいのかと聞き、鉄子が「守る刀…」と

答えると「なになに聞こえないー」っていう言い方がおかしくて

かなりシリアスなシーンなんですが毎回つい笑ってしまいます。

鉄子については「死なせない!」の言い方はアニメ版とそっくりで

鉄子そのもの!と思いました。あとはこの映画通じて一番笑いが起きるシーンに

絡んでいるところがさすがのコメディエンヌぶりだなぁと思いました。

 

そして銀さんはやっぱりかっこいいなぁと思いました。

傷だらけになるほどかっこいいのはやっぱりヒーローなんですね。

紅桜の花びらが舞い散るシーンに決めポーズで立つ銀さんはどこからどう見ても

かっこいい。これは実写ならではのかっこよさだなぁと思いました。

 

ここからが本題(前置き長い)。岡田将生くん演じる桂小太郎ですが

真面目な顔してエリザベスと並んでて違和感ないっていうだけで奇跡。

岡田くん自身もインタビューでなんでこいつにこんなに真面目なこと言ってるんだろう

って不思議になるって言ってましたが現実味のない二人(一人と一体?)

が並んでるって感じでした。

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冒頭の「助太刀いたそう」からの殺陣のシーンは思ったよりも動きが早く

おお、やるじゃん!と。無駄のない一連の動きはいかにも武士としての

鍛錬を怠っていない桂らしくて、「安心しろみねうちだ」の言い方もかっこよく

要はすべてがかっこいい。

そのあと銀さんとかぶき町を歩きながら終始鼻をほじっている銀さんの

横ででこれまた真面目に話しているところも二人の関係性を表してて

いいシーンでした。「鼻くそをほじりすぎだ」「飛ばすな」「なじますな」の

言い方もテンポよくこの映画の桂の中でクスっとなる数少ないシーンでした。

銀さんに「最近このあたり辻斬りが出るから気を付けろ」に言われて

「辻斬りごときにやられる俺ではない」と言った後にちょっとだけ

見つめあうんですがその間もよかったですね。

お互いに何だかんだいいながらも心配しあう仲という感じが出ていて

いいシーンだなーと思いました。

 

夜の橋の上で似蔵に斬られるシーンは暗闇の中でもはっきりわかる

目鼻立ちのきれいさは白眉。そのあと似蔵が

ありゃほんとに男か。この髪のなめらかさは女みたいだ」という

のも納得。

 

後半はエリザベスが出てきたところで鼓動が高まり、

高杉がエリザベスを斬ったあたりから息を止めて見てしまいます。

前半の長髪姿から短髪になり、着物も薄いグレー地の着物にレザー素材の羽織姿から

濃い青のビロードっぽい生地の着物に薄い水色の羽織にお召し替え。

かなりタイトなスケジュールの頃だったせいか頬がかなりこけていて

肌も白く似蔵さんじゃないけど、ほんとに男性ですか?ってくらいの美しさ。

ちょっと一人だけ発光してるみたいなんですが。(多分ライティングの関係)

 

そのあと追手を交わすちょっとしたアクションがあり、

桂さんのアクションシーンは全体的に動きが早く

あんまり細かいところがわからないんですよね。

これは狙いなのかなぁ。舞台挨拶で「今回はアクションも頑張りました」

みたいなことを言ってましたが、岡田くんとしては多い方だったかもしれないですね。

他の方に比べればさほど多くはないですが。もうちょっと見たかったというのが

正直なところ。

 

桂と高杉との会話が結構長いんですが、ここはもうただただセリフをいつまででも

聴いていたい…と思いました。岡田くんのセリフ回しの美しさがよく出ていて

桂の顔は映らずに別の場面が映される状態で声だけが聞こえているんですが、

耳にすっと入ってくる心地よく説得力のあり低すぎず重すぎず

よく通る声。桂がそこにいる、と思いました。

 

銀魂ビジュアルブックの中で福田監督は

「僕からすると岡田将生の桂小太郎さえハマったら「銀魂」はコンプリート。

(中略)確か最初の方は岡田くんにダメ出しをした覚えがあって。というのも

最初見せてもらったときに、割とかっこよさげなしゃべり方をしていたんです。

実は岡田くんってあれだけイケメンなのにいじられキャラなんですね。

なぜかというと常に真面目だから。そこが彼の面白いところだし、桂もまさに

そういう人。頭が堅くてバカみたいに真面目で「”かつラップ”でさえ真面目に

やるから面白いんだよ」という話をしたら、そこは一流の役者さんだけあって

すぐ汲み取ってくれました。(後略)」

と話されています。

桂小太郎のキャラクターに岡田将生が実体としての息を吹き込んだんだなぁ

と思いました。

 

実際アニメの桂さんはもう少し外連味があるんですけど

岡田くんの桂さんはもっと真っすぐな感じで

いかにも清貧を好む攘夷志士という雰囲気が出ていたと思います。

 

アニメ版ではそのあと高杉はさっさと脱出、残された

銀時と桂で天人と戦う最高にかっこいいシーンがあって

実写化が決まった時からその場面を妄想して楽しみにしていたんですが

そこは銀時と高杉の対峙シーンに変更となりものすごくがっかりしたんでした。

それさえ見られればいいと思っていたくらいだったんですが

しかしそのがっかりを帳消しにするくらい桂さんが美しかったので

続編に期待することにしています。

 

最後、高杉との戦い終わって仰向けに寝ている銀時を

引きずりながら船から脱出するシーンが何気に好きで

銀さんの襟足をつかんでがーっと甲板を走って飛ぶところが後ろ姿だけなんですが

細い体なのに銀さんに何も言わせない強さがあって、桂さんの銀さんへの思いが

伝わってきました。パラシュートで降りていくときに銀さんが

桂にしがみついてるんですが、一度回してる腕の態勢を

つかみ直すところがあってなぜかそこにもグッときました。

細かいところなんですが銀さんと桂さんの近さを感じました

 

途中回想で出てくる攘夷戦争のシーンが

わざとモノトーンでわかりにくい映像にしてるんですが

ちらちら映る桂さんがめちゃくちゃかっこよくて、どこがそんなにいいんだろうと

思ったらハチマキしてるところが好きなのかもって思いました。

こちらはメイキングを楽しみにしております。

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ひとつだけちょっと注文というか、惜しいなって思うのは着物に慣れていないせいか

立ち方と歩き方がちょっとぎこちないというか着物の動きじゃないんですよね。

もう少し腰を落とした胸を張った方が収まりがいいんじゃないかなぁと

思いました。ただ桂の個性を考えるとまぁあんまりふんぞり返っても何だしな…とも

思うので悪いわけではないですが。

 

まだまだ見返したいところがたくさんあり、

あと何回行こうかなぁと考えているんですが

映画はすぐに見返したくてもリピれないところがもどかしくも楽しいですね。

大きいスクリーンで見る岡田将生の姿と声は格別。

まだまだ楽しみたいと思っています。