おうちに帰ろう

心茲にありと

小さな巨人第8話〜裏切者は誰?

我ながら頑張ってる更新。

前回は200は100の2倍で大いに笑かして頂きましたが

今回は控え目。早々に横沢は300%クロだ、と言っただけでした。

 

基本に立ち返って「敵は味方のフリをする」の展開になりました。

江口刑事逮捕を巡って捜査一課と所轄の騙しあい。

そして、横沢の妻亜美も三島の携帯を使って横沢と連絡を取り合うなど

そこかしこに騙しあいが。

所轄の香坂たちが捜査一課の裏をかいて横沢確保なるかといったところで

結局香坂たちを見張っていた捜査一課の藤倉たちが横沢を横取りしていきました。

 ↓おい!横取りかよ!と横沢を連行する捜査一課の面々を睨む

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所轄は利用されるだけか、と失望しているところへ藤倉が横沢を豊洲署へ

連行してきました。

藤倉が同期の香坂にお前たちが捕まえた犯人だからお前たちに取り調べる権利があると

横沢を所轄に引き渡しました。

 

そして取り調べを始める…はずだったのですが、横沢は取調室から消えていました。

山田も姿が見えなくなっている。

 

ジャジャジャーン!(ノンフィクションが流れる)

香坂はここで横沢に警察内部の情報を流していたのは山田であることに気づきます。

 

「敵は味方のフリをする。全ては味方だと信じていたあの男の仕業だったのか」

 

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やりやがったなぁ、山田!

 

 最初から横沢を取り戻すつもりで連絡を取り合っていた山田。

香坂と藤倉の同期の絆に助けられ、横沢が豊洲署に連行されるという大チャンス。

藤倉さんサンキュー!って内心思ってたのかなぁ。

 ↓マジか!戻ってきたぞ!の顔

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↓「叫べ叫べ叫べ〜♪」でカットインしてくる山田の顔。

CDTVでこの歌詞のところで自分の顔がアップになってほしいと言ってましたね)

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香坂さん、いったい何回騙されるんでしょう。人が好すぎます。

信じていいのは藤倉さんだけかもしれない。

 

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 山田と父との関係を表すセリフがまた少し登場します。

「家族ですか。僕なら一生会いたくないですけどね。あんな父親となんて」

 「裏帳簿は父親の過去を知るブラックボックスのようなもの」

 

また山田は香坂に父との関係についても質問します。

「香坂さんはどうなんですか。お父さんとは」

(やっぱり香坂さんのことがもっと知りたいんだね)

そこで香坂は父が富永から左遷させられたことを話します。

 

父親の過去を知るためにどうしても横沢の持っている裏帳簿が欲しい山田。

裏帳簿を見られたくない富永元一課長。

元一課長に頭が上がらない小野田。

富永元一課長に左遷させられた香坂父。

どうやら全ての因縁が17年前に起きた何かの事件に絡んでいる様子。

来週はいよいよセミファイナル(いや、その使い方間違ってるから)

 

またしても逮捕されるらしい山田っち。泣きそうな顔で小野田一課長に

17年前の事件について教えてほしいと懇願している予告編。

しかしこれまでの流れで予告編に出てる部分はほんのさわりのことが多いので

もっとすごいことが起きそうです。

恐らく撮影がツメツメで後半部分はまだ撮影中か編集中かなのだと思います。

残り2話!

なんだかよくわかんないけど、ぱぁーっと派手に何かをやっちゃってください。

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小さな巨人第7話〜200は100の2倍です

第7話のハイライトは山田が香坂に送ったお中元と

小野田捜査一課長の200とは100の2倍だぞ

この2点かな。

 ↓山田くんが香坂に送った39800円の松阪牛。こんなもの上司に送る人見たことない

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前回のドラマチックな山田逮捕劇から始まった第7話。

どうなる!山田?と思ったけど

取り調べで自分が江口に呼び出されて現場に到着したときには

江口はすでに死んでいて、自分も何者かに後ろから頭部を殴られたことを

供述。あっさり山田の殺人容疑は晴れるっていうね。

それでもなかなか山田は釈放されず

事件解決のためにどうしても山田の話が聞きたい香坂は

「山田を取り返す」と「敵の敵は味方」の論理で

山田の敵である山田パパに直談判して無事山田を釈放。

豊洲署に戻ってきた山田は香坂に

「まさか父を使うだなんて。香坂さんも残酷なことをしますね。」

といいます。

 

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香坂に言わなかった理由は

「早明学園の不正に関わっている政治家がいます。

それが僕の父だったんです。

父は官僚になる前は刑事課長だったんです。

裏帳簿の実物があれば

父の不正も明らかにできる

僕にとっては譲れない問題です。

その証拠をつかむまでは

どうしても香坂さんに言えなかったんです。

すみませんでした。」

 

意外とあっさり謝ります。

だったらなぜ逃げたのか。逃げおおせるとでも思ったのか。

意外と衝動的な山田くん。捜査一課長への道はまだまだ遠い。

 

それにしても「残酷」なんて言葉なかなか使わないですよね。

山田と香坂の二人のシーンになると途端に舞台調な芝居になるところ

かなり好きです。

「香坂さんに礼を言うべきですか」

「香坂さんの勘には敵いませんね」

などなど、普通の会話ではあまり聞かないセリフが続々。

この二人が話してると何の違和感もない。

冷静に考えるとヘンなんだけど、見た目に現実味がないので

しっくりきます。

もっとやってほしい。

 

そして山田はどうやら父を告発したいようですね。

どんな理由かは知りませんが。

ちゃんと山田と父の確執もストーリーに絡んでくるようだし

高橋英樹さんという大御所をキャスティングしているくらいなので

結構重要な鍵になるのでしょう。

 

第7話はそれまでもちょっと?と思うシーンは多々ありましたが

あからさまに笑えるシーンが多く出てきて

思い切ってネタドラマに振り切った回だったかもしれません。

とにかく小野田一課長の「知ってると思うが200は100の2倍だぞ」の

には爆笑しました。

来週は300%になるようなので最終回には1000%になるのかも。

もうストーリーはどうでもいいや。芝居合戦を思う存分楽しみたいと思います。

↓香坂さんに「我々所轄の仲間が殺人容疑で疑われた事件でもある」と言われて

仲間?とちょっとどきっとした表情で香坂を見る山田くん。内心嬉しそう。

すっかり所轄の人間になりました。

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「小さな巨人」豊洲署編始まりました

4月から始まった日曜劇場「小さな巨人」ですが5/14放送の第五話で

芝署編が完結。5/21からは豊洲署編となりました。

 

豊洲署編では山田の謎も明かされるようですが、捜査一課長にどうしてもなりたい

山田。これまでにどんな言動があったから振り返ります。

 

芝署編では香坂からなぜ父(内閣官房副長官らしい)のようにキャリアにならなかったのかと問われると激高し

あなたにはわからない!僕だってそうなるつもりだった。

それが正しいことだと信じていた。だけどそれが目の前で崩れ落ちていったんだ。

それまで信じていた自分自身が許せないほどの怒りですよ。

その僕の絶望はあなたにはわからない。言ったでしょ。僕は捜査一課長にならなきゃならないんです。キャリアではなれない捜査一課長はノンキャリアしかつくことができないポストなんです。この道を選んだのは僕なりの戦い方なんです。」

というシーンがあり、何やら過去に秘密があるっぽい。(大した秘密じゃなかったらどうしよう…)

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初めて山田が声を荒げるシーン。そしてそのあとに我に返って口を抑える一連の仕草は

色っぽかった。

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また小野田捜査一課長が犯罪に絡んでいるらしいとわかると怒りで顔を崩し

「捜査一課長は警視庁の顔なんです。不正に手を働くなど絶対にあってはならない!」

このときも怒りで大きく顔を歪めます。

 

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次に前捜査一課長の三笠署長が不正を行っているとわかったときは

「私は三笠署長が許せません。捜査一課長として名が刻まれた方というのはは東京の治安を先頭にたって守る我々警察官の模範となるべき存在なんです。

その誇りをあの方は汚した。必ず捕まえなければならないんです。」

このときもかなり強い口調で訴えます。

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なにやら捜査一課長はすべての正義の象徴と思っているような勢い。

(一体何があったんだ?)

ちゃんと↑の発言の根拠は教えてくださいね。

 

かくして香坂とタッグを組み三笠署長の犯罪隠蔽を暴き事件を解決します。

 

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事件解決後、香坂から握手を求められる山田。

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このまんざらでもない顔がかわいらしいですね。(嬉しいくせにー。)

トーカーからバディになりました。

 

そんなこんなで終わった芝署編。

殺人事件は解決したものの三笠署長の隠蔽については

お咎めなし。本当の敵は警察組織そのもの、という小野田捜査一課長の

言葉とともに芝署編は終了。

 

冒頭は走る香坂。その先には逃げる山田。

山田が手錠をかけられて連行されるところを茫然と見ている香坂。

いきなりこんなシーンから始まります。

 

どうしても捜査一課長になりたい山田は、父のコネを使った捜査手法に不満の声があるとかいうよくわからない理由で豊洲署へ異動、香坂と同じチームに。

一度はバディっぽくなったけど、所轄に異動となりへそを曲げたのか

無表情に仕事をこなす山田。

しかし、元捜査一課長が専務を務める学校法人早明学園の経理課長が行方不明になった

事件の捜査を始めたところから、山田の単独行動が増えてきて

山田の行動を不審に思った香坂から詰め寄られると

自分は1年後に捜査一課に戻る人間、あなたたち所轄の人間とは違う、と反抗的な態度に。

 

そして早明学園にはどうやら政財界との癒着関係があり、その潜入捜査のために

内偵している山田の新人時代の研修担当だった江口(ユースケ・サンタマリア)から証拠を掴んだので来てほしいと呼び出され、尾行していた香坂と三島(芳根京子)が

現場に到着すると、江口はすでに死んでいて傍らに立ちすくむ山田の姿が。

香坂たちに気づいた山田はその場を逃げ出し、冒頭の場面に戻ります。

 

どうなる山田!?で次回へ。

 

このドラマ、とにかくアップが多いので、表情の変化を追いかけるのが楽しく

やたらスクリーンショットを取ってしまうのですが

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江口と話した後に香坂が現れ、無表情を装う顔や

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「僕は捜査一課長に戻る人間、所轄の手助けをしてるんだから感謝してほしい」と

わざと(?)嫌味なことを言う悪い笑顔や

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香坂から江口と会っていたことを指摘されたときの振り返りざまの見返り美人ショット

(そうそう振り返りざまの美麗ショットも多いんですよね、このドラマ)

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僕たち(たち?)には最初から味方なんていないんですよ、自分の身を守るのは自分しかいない、それを教えてくれたのは香坂さん、あなたですよ

という愛と反抗が混ざった表情(このこの)

 

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さらに香坂に詰め寄られると「僕にだって言えないことがあるんだ!」とまるで反抗期の中学生のようなセリフとともに苛立ちを露わにする顔

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江口が殺さている現場で立ち尽くしてるところを香坂たちに見つかり、恐る恐る振り返る顔見返り美人パート2)

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追いかけてきた香坂に向かって「もっと早く香坂さんに報告すればよかった…」と

涙ぐみながらつぶやく切ない顔(これは反則)

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パトカーの音に驚き微かに怯えを浮かべる顔(どこから見てもヒロイン!)

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屈辱と後悔と香坂に一縷の望みを託すような表情。(香坂さん助けてー)

 

 この回だけでも結構な振り幅の顔を見ることができました。

 

ドラマとしてはいろいろと突っ込みどころがありつつも展開が早く

俳優さんたちの濃い演技と勢いで寄り切ってますね。

岡田将生くん演じる山田も東大出のエリートらしいんですが

脇も甘いし隙だらけで捜査一課長にほんとにこれでなれるのかい?と言いたく

なるような困ったちゃんなのですが、そこが却って愛しく

香坂さんも思わず助けずにはいられないのでしょう。

 

ここまでの回を通して一番好きなシーンの一つがこの車中で二人が

会話してるシーンなのですが、

 

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それまで山田に対して腹立たしい思いを抱いていた香坂が力を抜いた口調で問いかけるところ。

尾行中なのでひそひそ声で話していたからなのですが、ぐっと距離が近づいた感じがして

私が山田だったら嬉しくなるなぁというシーンでした。

二人のセリフの口跡も美しく、もっと会話を聴いていたい!と思わいました。

 

山田くんは香坂さんが大好きなので、香坂さん、絶対助けてあげてくださいね。

「山田を取り返す」って素敵な響きです。

 

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平清盛完走後の感想

2017年2月20日からCSのチャンネル銀河にて始まった

大河ドラマ平清盛」(通称”銀河盛”)

の放送が4月28日に全50話放送終了しました。

2012年にNHKで本放送があったときも一部熱狂的なファンが

Twitterなどで盛り上がり、視聴率が悪いという評判ばかりが目立ちましたが

再放送を熱望するファンは多く

念願かないチャンネル銀河への登場となりました。

月~金の週5日の放送。

毎日見た場合、身体が持つのだろうかと不安になりましたが

無事完走しました。

 

今回、銀河盛にあたってここを見ておきたい、確認したいという

ポイントが3つありました。

 

  1. 源氏の描き方
  2. 源頼朝岡田将生)の語り
  3. 岡田将生の演じる源頼朝

 

1.について岡田くんを追いかけるようになって手元にあった

平清盛」を最後の3回程度見返したときに源氏の描き方がとてもあっさり

しているように見えたんですね。まぁ清盛の話なんでしょうがないと思いつつ

前半の熱量と比べると物足りないような気がしたんです。

わざわざ頼朝を語り部にしている割には扱いが雑なんじゃないかしら…と

少し疑問に思っていたのです。なので最初からちゃんと見たらどうなのか。

確認してみたいと思いました。

 

2.について、私は知らなかったのですが、当時ナレーションについて批判的な

声があったらしいのです。あんまりナレーションの良し悪しについて気にしたことは

なかったのですが、大河史上最年少ナレーションと話題にもなったようなので

改めて着目してみました。

 

3.については見ていたにも関わらず覚えていることといえば、縁側で笙を吹く姿が美しいこと、いつまでも陰気臭いこと、「立ち上がれ!源氏の御曹司!」「共に参ろうぞ、まだ見ぬ明日へ!」と政子に尻を叩かれる雨中のプロポーズの気持ちよさ

(このシーンは大好きでした)

くらいで、挙兵して以降の記憶が全然なく、少し前に後半だけ見返したときも

それほど魅力的に思えなかったんですよね。(ほんとごめんなさい)

源氏の棟梁をどのように演じていたのか物語全体を通して見てみたいと思いました。

 

うっかりすると終わらない話を延々書いてしまうのでできるだけ

簡潔に書いていきたいと思います。

 

1.源氏の描き方

 

これについては源氏、平氏(平家)と分けて考えることに意味がないということに

気づきました。

メインテーマが「武士の世を作る」であり、平安末期から始まる武士の勃興と混乱の時代を平清盛を中心に切り取った話であったのだなと。

平氏は清盛の祖父、父の代から王家に仕え武士が力を得るために様々な手を尽くし、引き継いだ清盛は新しい世を作ろうと海に出たり西へ行ったり海賊たちと手を組んだりと施策を行います。

 

同時代に力を持ち始めた源氏勢も平氏と対立しながら同じく頂きに登ろうともがき続けます。清盛と源義朝は時に手を組み、やがて決別し、源氏は平氏によって滅亡寸前となりますが、奇跡的な温情により嫡男頼朝と牛若が別々の場所で生きながらえます。

それは武士の世を作るという目的においてはリスクヘッジみたいなものだったのでしょう。

(清盛本人に自覚はないだろうけど)

宋との交易で財を築き、平家は財力を武器にのし上がっていきますが

性急すぎる改革はとかく軋轢を生むもの。結局身内すら清盛を理解できなくなり

清盛自身も迷走し孤独の闇に落ちていきます。

平家が栄華を謳歌しているときには伊豆で廃人同様の生活をしていた頼朝が

闇に沈む清盛と入れ違うように目覚めるのは当然の流れ。

時代が変わるときには様々な偶然とも思える必然があり、頼朝を生かしたことも

流れた先が伊豆(東国)だったことも(思えばなぜ伊豆に流したのか。西国だったら

東国武士の後ろ盾がないので頼朝は挙兵できなかったのではないかとも思えます。)

全ては必然。平家が権力を掌握するさまと一蓮托生といいながらも一門がバラバラに

なっていく様子は、平家のあとに源氏が権力を握ったときにも起こり得ることを

暗示させます。実際に平家滅亡のあと頼朝は義経を滅ぼし

「弟の屍の上に武士の世を築」きます。これは祖父為義が義朝に言ったことでも

あり、清盛がしてきたことでもありました。

平家物語を貫く「諸行無常」「盛者必衰の理」そのものです。

 

最終回、清盛が亡くなってから壇ノ浦で平家滅亡、その後源氏で義経追討までが

ものすごく駆け足だったのは「武士の世を作る」一過程を通り過ぎただけだったから

なのかなと思いました。

なので、うん、源氏の描き方は雑ではなかったなと。

(とはいえ本当は義経と頼朝の件はもう少し掘り下げたかったんじゃないかな

思った以上に平家パートに力入っちゃったのかなという気もしています)

 

2.源頼朝岡田将生)の語り

 

今回の見直しでの発見の一つがこの頼朝のナレーション(ナレ朝)の面白さでした。

初回の語りは声に張りもなく硬く、いかにも若者の一人語りといった

感じでイマドキの映画のようで全く大河っぽくありませんでした。

いや、最後まで大河っぽい感じはなかったですね。でも回を追うごとに

「頼朝が語っている」妙が出てきて、特に前半の源氏方の祖父為義や義朝に対する

ダメ出しっぷりは思わず笑ってしまうこともたびたび。

母である由良御前について「報われない人」とまで言い切り、愛あればこそなんですが

だいぶひどい言い方でした。

反面、崇徳院の最期は「何一つ何一つ思うままにならなかった人生を生き切った」と

優しさをのぞかせたり、これまでのナレーションと違い、主観が混ざるところが

新鮮でした。また頼朝目線なので朝廷方の出来事について

「~なさった」「~あそばされた」という敬語になるのも好きでしたね。

源氏が勢いを増してからは口調も少し早口で弾むようになったり、時々の状況に

合わせて皮肉っぽかったり、楽し気だったり、諦観を滲ませたりと

姿は見えなくても「頼朝がいる」ということを見る側に伝え続けました。

最終回、「かくいう私もこの9年後に死に…」と来て、そうかーあの世から語っていたのかと、構成の巧みさに恐れ入りました。

ナレ朝語りも「平清盛」の魅力の一つだったと思いました。

 

3.岡田将生の演じる源頼朝

 

何だかんだ言ってこれが一番の目的でした。

初回冒頭から岡田くん演じる頼朝は登場するのですが

壇ノ浦で平家が滅亡するという知らせを受ける場面なので

すでに棟梁になっている頼朝のはず。なんですが

棟梁に見えない。一生懸命メイクして彫りを深くして

少し貫禄だしてみたりと工夫はしているようなんですが

若武者っぽい印象が残ってしまってます。

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これはねー、やっぱり大変だと思うのですよ。

まだ頼朝の生涯を演じてないところからいきなり棟梁やれって

言われてもなー。まぁそれをどうにかするのが役者の腕なのかもしれませんが

ちょっと残念な感じでした。(ごめんね)

その後しばらくはナレ朝としての存在がドラマにおけるエッセンスとなり

楽しませてもらっている中、いよいよ第三部「伊豆の流人」で

青年頼朝として登場します。その前に少年頼朝を演じた中川大志くんが

見事な頼朝を演じた後だったので、どんな姿で現れるのか

知ってはいるけどドラマの進行の中で楽しみに待ちながら見るのは初めて

だったので結構胸が高鳴りました。

 

後半頼朝は様々に変貌を遂げます。

 

八重姫も一目ぼれする美形の姿

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鶴丸を殺されて廃人のようになる陰気な姿

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政子に押しかけられての雨中のプロポーズ

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源氏の棟梁として立ち上がる準備をする姿

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挙兵した武士の姿

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源氏の棟梁として東国武士をまとめる姿

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清盛と対面して武士としての腹を決める姿

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最後、後白河院に謁見する姿は武士の棟梁そのもの。

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初回の冒頭に出てきたやや無理のある棟梁姿とは

全然違います。

 

変貌する過程で、遠く離れて姿は見えない清盛と通じ合い

はるか昔に清盛が鳥羽院に放ったエアアローが頼朝に刺さり

武士の魂を受け継ぐシーンなどがあり

一度は分かれた平氏と源氏の道が一つになる瞬間がありました。

源氏の描き方が雑だなんて思ってほんとすいません、て感じでしたね。

そして1周目に見たとき、その後見返したときに魅力的に見えなかった

自分はなんと節穴だったのかと思いました。

平氏方とは対面がない中で清盛に思いを馳せながら

源氏の棟梁としての決意を固めるまでの心の揺らぎ。

決意を固めてからの凛々しさ。声の張り方。

青白き弱弱しい苗が見事に実るように変貌しました。

内面の弱さを押し殺しながら棟梁たらんとする姿を

丁寧に演じられていたと思います。

立派な頼朝でした。

岡田くんが頼朝を演じてくれてよかった。

頼朝とともに岡田くんも一緒に成長していたのかなと

しみじみ感じ入りました。

 

最後に

今回改めて最初から通して見たことで気づいたことがたくさんありました。

武士の世を作るというメインテーマを彩る沢山のサブテーマ

父と子、夫婦、兄弟、友、主従、いろんな関係が絡み合い

繫がりあって大きな幹に豊かな枝葉を茂らせ見事な大木として

根をはっているのだなと思いました。

緻密な人物構成の反面、物語のペース配分には少し乱れが

あったように見えましたが、それこそがこのドラマの魅力なんだと

思います。完成されすぎず、型にはまらず、はみ出た部分も多いドラマ。

平清盛そのものだったのではないかと。

見返すたびに色々な発見ができるドラマだと思います。

また夏にも放送されるようなので、暑い夏に熱いひとときを過ごすことに

なりそうです。

 

「小さな巨人」始まりました

すっかり更新をさぼってしまい

今年初のエントリーとなってしまいました。

色々書きたいこともそろそろ溜まってきてるんですが

まずは4月16日(日)から始まったTBS日曜劇場「小さな巨人」から。

 

警視庁内部のエリート(捜査一課)と現場(所轄)の対立を描く

このドラマ、主演は長谷川博己さん、その他に

岡田将生くん、香川照之さん、安田顕さん、春風亭昇太さん、芳根京子さん

など様々なタイプの役者さん勢ぞろいで見る前から期待が高まってました。

特に岡田くんはTBSの連続ドラマ初登場ということで製作が発表されてから

どんな役なのか大変気になっていました。

長谷川さん演じる香坂が走ってるところから物語は始まり

警察官職務執行法を読み上げる香坂の独白が入ります。

「警察官を守る法律は存在しない。警察官である自分を守るのは自分しかいない」

そこから3週間前に遡り、香坂、山田(岡田将生さん)、

小野田捜査一課長(香川照之さん)所轄刑事渡部(安田顕さん)、

前捜査一課長の芝警察署長三笠(春風亭昇太さん)

が次々に登場し、警視庁が追っていた犯人を逮捕する現場で所轄刑事の渡部と会い、

事件解決後三笠と香坂が会食しているところへ捜査一課長付運転担当である山田が

報告したことで小野田が現れます。

ここまでだいたい13分くらい。主要人物がほぼ登場、どんな人物なのかざっくり

紹介されました。

その間に今後のドラマのキーワードとなる

「敵は味方のフリをする」「刑事の勘」「捜査は理論」

などの言葉がいろいろな登場人物の口から出てきます。

 登場人物紹介が終わったところで物語が動きます。料亭で所轄刑事の渡部が張り込んでいた人物が現われ、気になった香坂が同僚に調査を依頼するとある自殺した女性と交際していた男性であることがわかり、飲酒運転容疑を口実に職務質問をします。そこで言い合いとなりはずみで男性の車を傷つけてしまいます。

男性はそのまま車で去り、香坂は腑に落ちないまま帰宅。

翌日、ネットニュースで自分が「行き過ぎた調査」として報道され、

人事部の調査で小野田が呼ばれ香坂と自分が会っていて酒を飲んでいたか

との質問に「飲んでいた」と答えたことで香坂は所轄に左遷されてしまいます。

 左遷された芝警察署に行くと、管轄内で誘拐事件が起き、捜査一課の指揮下に所轄が配備され…とここから立場が逆転した香坂と捜査一課陣の対立が始まります。

 あらすじ書いてるだけで長くなってしまいました。実際のドラマはこのあと誘拐事件の解決まで紆余曲折あるのですが、そこは割愛します。

最後、小野田に香坂が宣戦布告したところで第一話が終わるのですが

どちらがいいとか悪いとかどうも単純にいかなそうな気配です。

 

説明が長くなりましたがここから感想です。

とにかく長谷川さんが素敵です。冒頭のスマートなエリートとしてのふるまいから

所轄に異動し、自分たちにできることは足を使うしかないと部下の刑事に訴え

最後は小野田に土下座し、このままでは終わらないと立ち向かう泥臭い姿を見せる。

そのどれもが魅力的でした。挫折するエリートがよく似合いますね。

歩いてるだけどあぁエリートなんだなと思わせる説得力がありはまり役だと思います。

主役として揺るぎない風格もありさすがだなと思いました。

 

香川さんはもう言わずもがな、期待通りの香川さん。何を求められているのか

ちゃんとわかってて長谷川さんとの距離の取り方も絶妙で、いるだけで画面が締まるし

作品の格が上がりますね。

半沢直樹の大和田と比べられがちですが、今回は単純な敵役ではないところが

面白そうです。

安田顕さんは存在感抜群。所轄刑事としての自分のやり方に自信と誇りを持っていて

香坂といいバディになりそうな雰囲気を漂わせてます。

 

人事部の新人警察官役の芳根京子ちゃんはもう少し香坂との関係がわかるシーンが

あったらよかったかなぁと思いました。香坂を慕っている理由が警察犬のブリーダーになりたいと言った自分をバカにしなかったからとセリフだけで説明されていたので

もう少し具体的なエピソードがわかるシーンがほしかったかな。まぁ時間が足りないでしょうね。

 

そしてそして岡田将生くん。

第一話はほとんど背景が語られなかったので将来有望な小野田の腰巾着(と表現されているフォロワーさんがいてうまいなと思いました)程度の存在。

一応、捜査一課代表のような立場で所轄の諫めるシーンがあり

これから対立していくんだろうなということはわかりましたが

ちょっと物足りなかったかな。もっと嫌な奴になってくると面白いなぁと思います。

それでも香坂が捜査一課から去っていく姿を見送るときの表情には

香坂に対してがっかりしたような様子が伺え、所轄刑事の怠惰な姿を見下すような表情には

「あなたはほんとにここでいいんですか」と言っているようにも見えました。

第二話の予告を見ると、もう少し悪い顔になってきてるので期待してます。

最後には山田にも挫折してほしいところですが。

 

ドラマとしては伝統ある日曜劇場にふさわしい密度の濃いエンターティメントだなと

思いました。

前宣伝では小野田が敵役のような描かれ方ですが、

間違ったことをしているわけではなく

香坂も裏切られたと思いながらも、自分がなぜ中田(料亭で会った男。誘拐された社長の息子でもあります)に話しかけてしまったのか、

「捜査は理論です」と冒頭で渡部に言い放っておきながら、刑事の勘によって

動いたことでみすみす出世の道を閉ざしてしまったことを後悔しています。

 

そして小野田捜査一課長は所轄の現場上がりで、香坂の父親とも関係がある。

三笠と小野田は水と油であることを考えると、三笠もいい人そうに見えるけど

何か裏がありそう。

そして誘拐事件の捜査でも所轄が得た情報を捜査一課に流し、

所轄の捜査を邪魔するなど香坂にとってめんどくさい存在である山田は今後の香坂にどんな影響があるのか。

第一話はまだ全てチラ見せで終わっています。

 小野田の真意はどこにあるのか、香坂の父親はどんな刑事だったのか。

そして第一話ではほとんど説明がなかった山田。彼は公式サイトでは

「本来、東大出身者はキャリアといわれる警察庁に入庁することが多い。 しかも彼の父親警察庁次官から内閣官房副長官という官僚のトップに上り詰めた人物だ。そんな山田が、ノンキャリと呼ばれる警視庁を選んだことには理由が。」

とあります。

この理由と香坂はどんな関係があるのか。

これからまだまだ物語は二転三転しそうです。

 誰が敵で味方なのかなど色々想像してしまいますが、あまり先を読みすぎず

毎回自然体で見ていこうと思います。

 

2016年一番掴まれたもの

今年ももうすぐ終わります。

こちらのブログでは色々なエンタメを勝手に応援するという

スタンスで書いていますが、今年を振り返って

自分が一番感銘を受けたというか感動したというか

心を奪われた作品は何だったか考えてみようと思います。

今年見たり行ったりしたイベントは以下の通り

映画:28本

演劇:14本

美術展:88本

サッカー観戦:10試合

その他ライブ:4本

合計:145

でした。およそ2.5日に一回、何等かのイベントごとに行ってる計算です。

美術展に相当偏ってますが、これはやはり時間のやりくりが楽なことと

梯子しやすいということに尽きるでしょうね。

そんな中、今年一番心奪われた作品は何かというと

舞台「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」でした。

このブログでも3回も取り上げ、それでもまだ書ききれていないくらい

気持ちが揺さぶられた作品です。

8月13日に大阪森ノ宮ピロティホールでの大千秋楽から4か月以上経過し

記憶も怪しくなってきた12月24日クリスマスイブに

待ちに待ったWOWOWで舞台中継の放送がありました。

放送日が決まってからは絶対にその日までは死ねない!という思いで過ごし

満を持してその時を待ち、心して放送を見届けました。

舞台作品をテレビで放送されるのを見るとき

どこまで私が生で見た感動が再現されるのだろうかと心配になるのですが

今回に関してはテレビの特性を生かして客席では見えない角度からの映像や

細かい表情のアップなど舞台をそのまま映すだけではなく、

別の作品としても成立するような演出になっていて

生で見ているときとまた違った印象になり

これはこれでよかったと思いました。

何より今年の夏のトーイ(とオカザキ)を映像という形で

残すことができたのは貴重です。

この先、再演もあるかもしれませんが、この初演での鮮やかなインパクトは

最初にしかないものですから。

作品だけではなく、今回よかったのは放送に合わせて

作・演出の松尾スズキさんのインタビューがあったことです。

これまでも色々なメディアや公演のパンフレットで

作品のコンセプトなどの記事は読んでいたのですが、

今回のインタビューでは松尾さん自身の舞台や作品についての考え方も語られていて

その内容がとても面白かったからです。

以下、書き起こしになりますが

映像は自然なものを映すメディア。
舞台ってのは作り事の世界なんで
リアリズムってものを写実主義って言葉でとらえるとしたら
写実には興味がなくて
僕の見える世界観に対する説得力ってことが一番重要
おかしな小道具が出てきたりとか
おかしな動きをしたりとかそういうことが
説得力を持って客に伝わるメディアかなって
歌舞伎とかシェークスピアとかそうですけど
元々はもっと不自然な状態で始めたと思うんですよね
そういうとこから受け継がれてた文化なんで
生々しい肉体があるからこそ
シュールなことが表現できるんじゃないかと思うんですよね
写実主義に対するカウンターみたいなものは作っていきたい
日本人が作る表現形態としての演出を
究めていきたい
写実から離れてどこにたどり着くのかっていう段階に来てるのかな
っていう気はしますね

松尾さんの作品は「ゴーゴー~」を含めて3作品しか見てないので

全てが当てはまるかわかりませんが

この「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」

について、なぜこんなに惹かれるのかというと

「松尾さんに見える世界観に対する説得力」

がわかりやすい形で表現されていて、

それが私の好きな世界観と一致したからなんだろうと思いました。

そしてリアリズムではなく非日常に対して説得力を持たせられる役者として

岡田将生くんが舞台上に生きる人物を見事に表現したキャラクターに

魅せられてしまったからなんだなぁと納得しました。

この作品における永野とトーイの関係はどこまでもファンタジーで、

男性同士の恋愛を生々しくなくファンタジックに表現できるアイコンとしての

役者岡田将生は抜群でした。

昨今のBL(ボーイズラブ)というジャンルの作品群とはちょっと毛色が違い

どこかクラシックな匂いがしたのは、

竹宮恵子とか萩尾望都といって少女漫画における少年愛をテーマにした作品が

ベースにあり私にとってもホモセクシュアルな内容の話については

そのあたりのイメージしか持ってないので、

松尾さんの描く世界観にものすごく共感できたからなんだと思います。

トーイと永野の二人はどこまでも甘くロマンチックで切なく

男女の恋愛では成立しなかっただろうなぁと思いました。

 

まだまだ考察の尽きないこの作品なので年が明けてもまた

書くかもしれませんがひとまず今年はここまでにしたいと思います。

 

ここまで気持ちを持っていかれると思わなかったので

事故にでもあったような気分なのですが

そのような作品に出会えた2016年は幸せだったなと思いました。

また来年も色んな作品、人に出会って気持ちを揺さぶられたいですね。

 

 

 

 

HIGH&LOWにまつわるあれこれ

昨年秋から始まったドラマを皮切りに

ドラマのSEASON1と2、映画「HIGH&LOW THE MOVIE」、

「HIGH&LOW THE RED RAIN」、アリーナライブのHIGH&LOW THE LIVE

と「EXILE TRIBEがかつてない新しいエンタティンメントに挑戦」という

プロジェクト。今までだったら何の興味も持たない領域なんですが

窪田正孝さんがドラマと映画に出演することになり

理解できるんだろうかという不安を抱えながら、ドラマを見始めました。

とにかく出演者が多くて説明を書き始めると長くなるので

詳しくはこちらでどうぞ。

窪田さんはSWORDの中の「RUDE BOYS」

(キャッチコピーは「無慈悲なる街の亡霊」)のリーダー役。

セリフは少なく表情とアクションが見せ場になりますが

(時々血を吐いたりします)

とにかくかっこよく撮ることに徹しているので、

大変かっこいいし美しいです。ただそれだけです。

とはいえドラマのあとに映画まで作ると聞いたときは

えぇぇーこれ映画でやるのぉー(窪田さんパート以外を見るのがつらぃ…)

と引きましたが、まぁやっぱり見届けねばなるまいと思い

7/18公開初日に行きましたよ。

まぁとにかくEXILE TRIBE(って何?状態でしたけど)の皆さんは人数が多い!

ので、舞台挨拶も人海戦術。全国各地の映画館に映画に出てる出てないに関わらず

散らばって挨拶しまくり。そんなやり方があるんだーとびっくり。

そして映画の内容ですが、とにかく見た後の第一声が「金持ってんなー」でした。

はっきり言ってストーリーとかどうでもいいんです。

ドラマだと各グループ1話で切れてしまうのですが

映画だと繫がって出てくるので次々見せ場が来るところも飽きないですね。

それなりに見せ場も用意してあるし、出演者も競うように

キメキメでキャラが立ってます。鬼邪高校とか達磨一家とか

ほぼ出オチなんですが、掛け声かけたくなるような間を持たせてくれます。

とにかくかっこいいシーンと音楽さえかけられれば、それに合わせたシーンを

作るだけなんです。その割り切りが潔く、かっこいいシーンを撮るためには

金は惜しまない。ハイライトとなる各グループ入り乱れての乱闘シーンは

見たこともないような人数が画面いっぱいで喧嘩します。CGなしです。

痛快のひとことですね。よくぞ集めた、よくぞアクションつけたという感じ。

これを見るだけでも入場料払う価値あります。

 

正直ここで終わってほしかったと思いましたが、その後に各地で開催された

応援上映という方式がこの後の件を救うために用意されていたのかもしれません。

私は行ってませんけどみんなでツッコめば映画的にはいらんシーンでも

楽しくなるよということですね、琥珀さん。

 

そして、10/8から公開された「HIGH&LOW THE RED RAIN」は

登場人物がぐっと減って、雨宮兄弟を中心したお話。

こちらは堂々たるスター映画というかアイドル映画。ここまでスター中心主義

の映画も昨今なかったのでは。アップとストップモーションを多用し

雨宮兄弟を演じる登坂広臣さんとEXILE TAKAHIROさんをこれでもかと

かっこよく撮ることに徹しています。

「壁だと思え」という名言まで飛び出し、もう細かいことは何も言うまい

という気分になります。

 

THE MOVIEとRED RAINの間にTHE LIVEがあり、東京ドーム、京セラドームで

行われたライブを全国の映画館で同時生中継で上映されました。

そこまでハイローの世界にはまっていたわけではないのですが

恐らくこの機会に見なかったら2度と見ることもないだろうと思い

映画館に行ってみました。

4時間にも渡るライブを映画館で延々見るというのもなかなかない経験。

私は途中飽きちゃったのですが

(カメラワークの影響もあったかな。ちょっと単調でした)

アリーナに客を入れずにパフォーマンスエリアとして使う演出はダイナミックで

これは東京オリンピックでなんかやるに違いない、と確信しました。

(知らんけど)

ジャニーズの方々とは全く違う方向性でマッチョさを隠さない彼らのパフォーマンスは

野心的だし、正直それほど心惹かれるわけではないけど

とにかく天下取るぜ!というギラギラさには感服しました。

ほんとに気づけばEXILEに包囲されるんじゃないかな。

 

ライブは彼らの主戦場だったと思うのですが

映画でも結果を残し、かつ映画の可能性を広げたということが

このプロジェクトの大きな成果だったのかなぁと思います。

全ての映画がこうなったらそれはそれで困りますが

楽しみ方の一つとしてアリだったということでしょうかね。

 

窪田さんがいなかったら足を踏み入れることもなかったと思うので

貴重な経験をありがとうという気持ちです。