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ひとり応援団活動記録

映画、演劇、スポーツ、アートなどなど様々なエンターティメントを勝手に応援するブログ

「そうだ、京都行こう」ということで②

旅行 美術展

引き続き京都旅2日目。

今日はもう一つの若冲展、相国寺承天閣美術館へ。

前日夕方からめちゃくちゃ快晴になったものの

日付変わったらやはりどんより。台風は関西からには直接影響ないものの

天気予報では午後から大雨とか。念のためレインシューズへ履き替え。

(その後台風は東北に上陸。被害も大きかったですね。)

 

イノダコーヒーのモーニングでお腹を満たし、雨が降る前に行動開始。

 

相国寺は特別拝観時期を外しているので人もほとんどおらず

道路の補修工事を実施している作業員の人たちが働いているのみ。

それでも相国寺の大きさに圧倒され、京都五山に数えられるお寺の威厳を

ひしひしと感じながら開館を待ちました。

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写真では伝わらないかもしれないけど結構デカイのです。

 

今回の承天閣美術館の展示の中心はコロタイプ印刷による「動植綵絵」30幅らしいけど

東京都美術館で開催した狂乱の若冲展で本物を見ているので

さらっと眺める程度で。実際にはかなり精密に再現されていて、製法を見ても

かなり手間のかかるものらしいですね。

 

お目当ては常設展示の鹿苑寺大書院の障壁画。一之間~四之間と狭屋之間までを

飾った障壁画が一挙展示されています。

部屋に入るとまず右側に月夜芭蕉図、左側に葡萄小禽図、突き当りに葡萄図、

芭蕉爬々鳥図、竹図と並び、反対側に松鶴図、菊鶏図、秋海棠図、双鶏図

と展示されていて圧巻の一言。

元の部屋の間取りと同じように並んでいれば完璧なのですが

それは贅沢というもの。

東京都美術館若冲展でも一部(菊鶏図、芭蕉爬々鳥図、松鶴図、葡萄小禽図がそれぞれ前後期にわかれて2作品ずつ展示)見られましたが

いっぺんに見られるなんて有り難すぎる。

改めて若冲の襖絵、空間が広すぎてヘン。

狩野派の襖絵に比べると白い部分が多すぎて、よくこれでOK出したなーと

感心します。当時の相国寺の大典顕常は大胆な人だったのでしょうかね。

明らかに異端者ですが理解者がいてくれた若冲は幸せ者かもしれません。

 

若冲が手本とした明の林良の鳳凰図と若冲の鳳凰図が並んで展示されていて

似てるんだけど、目元の描き方や尾の丸まり方に違いがあり

そっくりにするだけじゃなくてオリジナリティを出してるあたりはニヤリとします。

トレードマークとも言えるハート形の羽も描かれています。

これが常時展示されてるなんて太っ腹。

平日の朝イチだったからかガラガラでほとんど独占状態でした。

眼福眼福。

 

続いていよいよ大徳寺聚光院へ。この頃から雨がぽつぽつ。

聚光院の拝観は予約しておいた方が確実、ということだったので

29日12:40の回を事前に予約。行ってみたらやはり予約なしで入るのは

厳しそうでした。毎回30人程度ずつ入場で1回につき40分程度の鑑賞時間。

係りの人の説明付きです。

写真撮影も不可。

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 荷物も預けて鑑賞せい、とかなり厳重。そういえば金地院も荷物は

ロッカーに預けたわ。やっぱり襖とか大きな荷物がぶつかって

傷がつくとか困るからでしょうかね。

まずは庭園から見学し、一通り説明を受けたあとに御開帳。

どーんとこの写真と同じような光景が広がっていた!

と言いたいところですが、うーん、何だろう、この写真がよく撮れ過ぎている。

実際には真ん中の襖は開かれているし、回りの戸も全部開けてくれるわけではないので

視界いっぱいに絵が広がる!というような感じにはならず。

部屋の中にも入れないので廊下から覗き込むようにして見なければなりません。

正面の障壁画はかなり遠く、グループで一緒に見るので見ている時間も限られます。

前日の手に触れんばかりの距離で見た贅沢を知ってしまったあとに見ると

とにかく遠いなぁ…という印象です。説明も駆け足なのであまり余韻に

浸れず。絵をじっくり見るなら京都博物館に展示されているときに

見た方がいいのかもしれません。ただあるべき場所にある状態で

鑑賞する、ということも大事なのでこれはこれで貴重な機会だったと

思います。事前に読んだ小説「花鳥の夢」では

狩野永徳が父の松栄を見下していた設定になっているので、

見ているこちらも何となく松栄の絵はちんまり

してるな、などと思ってみたり、永徳も全ての絵について魂を込めていた

わけではなかったので、ちょっと斜めに見てしまいますね。

とはいえ、小説の中でも書いた絵がことごとく戦乱に巻き込まれて

焼失しており、この規模で残っている作品がほとんどないので

生で見られることは喜ぶべきこと。文句を言ってはバチが当たりますね。

 

その他にも大徳寺内に拝観可能な塔頭があり、多くは庭園が見応えありそうなので

せっかくなので見て回りました。

大仙院。こちらは方丈と玄関が国宝とかで、やはり撮影不可。

枯山水の庭園は宇宙過ぎて凡人には意味不明なのですが、

方丈内に狩野元信(永徳の祖父)や之信の障壁画があり

こちらは間近で見ることができたので得した気分。

中からは撮影できませんが、玄関の外側をパチリ。

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続いて瑞峯院。こちらはキリシタン大名として名高い大友宗麟が開祖したお寺だそう。

蓬莱式の庭園もさることながら、参道に植えられた待っ過ぐに

伸びた松が印象的。

 

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曲がった松をどんどん落としてまっすぐになるように

剪定しているんだそうな。

方丈前の庭園は蓬莱山式庭園。こじんまりとしていますが

人も少なく雨がそぼ降る庭を廊下に座って眺めるのも

なかなかよかったです。

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方丈裏の庭園は閑眠庭は重森三玲氏の作庭だそう。

キリシタン大名大友宗麟にちなんで石の流れが十字架に

組まれているのが珍しい。直線的なのでモダンな感じがします。

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最後に龍源院。

室町時代禅宗方丈建築としてその遺構を完全に留めている唯一の建築だそう。

方丈もさることながら、こちらは庭園の種類がいろいろあって

どれも素敵でした。

滹沱底(こだてい)という阿吽の石庭。

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手前にもう一つ石があって阿吽になってるんですが見切れちゃいました。

 

砂利ではなく苔がしきつめられている竜吟庭

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方丈前の石庭もユニー

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あと壺庭という一番小さい石庭もあり。

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晴れていると太陽の光が一条横に入る瞬間が

あるらしいのですが、この日は雨だったので見えませんね。

狭いながらも奥深く吸い込まれそうな不思議な空間でした。

 

大徳寺内を回るだけでも結構な時間が立ち

雨もかなりひどくなってきたところで終了。

 

禅宗のお寺の庭園の奥深さをほんのちょっとだけ知ることがができて

いい時間でした。雨が降っていたのも却ってよかったかも。

 

さて、ここで京都を離れ琵琶湖に向かいます。

夕方に到着したときはほぼ土砂降り。

いったい明日はどうなることやら。

 

 

「そうだ、京都行こう」ということで①

旅行 美術展

ということらしいので

8月の終わりに少しずらした夏休みを取り京都へ行ってきました。

↑のリンクにある大徳寺聚光院の狩野永徳、松栄の襖絵は通常京都国立博物館

所蔵しているらしいのですが、2016年3月1日~2017年3月26日まで

里帰りしているとのこと。博物館の展示というと当然ガラスケース越しに見ることに

なるのですが、今回は当時さながらお堂に襖としてはめた状態で展示。

こんな機会はそうないので夏休みの旅行はこれに決定。

同じく生誕300年を記念して若冲展も細見美術館相国寺承天閣美術館

開催されていたので合わせて見ることに。

京都を訪れるのは16年ぶり。

(2000年に友達の結婚式で行った以来。

ミレニアムだったなと印象に残ってました)

上記3つ以外でどこに行くかなと考えて、狩野永徳見るなら長谷川等伯でしょうと

南禅寺金地院等伯の猿候捉月図、老松図)

智積院等伯一門の「桜図」「楓図」)

をまずセレクト。

 あとは俵谷宗達の白象図のある養源院。ここは智積院と目と鼻の先なので

ちょうどいいかなと。

あとは時間があれば昨今外国人に大人気という

伏見稲荷神社にでも行こうかと緩めの計画を立てました。

台風10号の動きも気になり、もしかしたら道中ずっと雨なのではという心配しつつ

朝食は東京駅地下のグランスタで買おうという

野望は早すぎて店が開いてないという事態の前に打ち砕かれて、

しょうがなく新幹線乗り場の売店でサンドイッチを購入。

しかし、昨今の駅弁はクオリティが高くコンビニのサンドイッチを

軽く上回るおいしさでした。6:50発の新幹線で向かいました。

 東京はどんよりとした曇り空。関西方面の天気予報も降水確率80%。

レインシューズとカッパまで持参しましたが、京都着いたときはまだ雨は降っておらず

おもい曇天。ものすごい湿度。

2日間有効のバス・地下鉄乗り放題チケットを駅構内の観光案内所で購入し

さっそくバス乗り場へ。最初の目的地は細見美術館

細見美術館へ向かうバスはかなりの清水寺祇園あたりを通るルートなので

かなりの混雑。そのうち半分くらいは外国人だったかなぁ。

バスで移動している途中に雨が降り出し、ワイパーがかなり忙しく動いても

ぬぐえないくらいの強い雨。とうとう来たかと思ったのですが

美術館前に到着したら雨がちょうど止み、少し外で並ばなければならなかったので

助かりました。

 15分ほど並んで中に入ると思った以上に部屋が狭く、人はそこまで多くないけど

大きな絵を見るのはちょっとつらいかな。

若冲展にも出品されていた「虻に双鶏図」「糸瓜郡虫図」「雪中雄鶏図」などは

また会ったねーという感じ。

その他、水墨画を中心に多数の鶏の屏風絵や同じく若冲が好んで描いた

野菜(「里芋」)など楽しい作品がたくさん。

細密な着色画と遊び心たっぷりの水墨画、どちらも個性的ですが

いろいろな絵師の作品を見るにつけ、どこの流派にも属さなかった若冲

つくづく唯我独尊、亜流の人であったのだなぁと思います。

細見美術館は1フロアに1展示室でどんどん階下へ降りていく構造なので

もう一度戻って見たい、みたいなことができずちょっと残念でした。

あと、係りの人が「鑑賞時にはお静かに、会話等はお控えください」というような

メッセージボードを持っていたのですが、東京の展示会であまり見かけないので

驚きました。確かに美術館に入ってしばらく「何か落ち着かないな、集中できないな」

と感じたのですが、それは何だかガヤガヤしていたからなのだと途中で気づきました。

東京でも友人同士で話しながら見る人もいますが、

もう少し声を潜めて会話してるのだけど、こちらでは普通の声で

会話しながら見てるんですね。これは大きな違いだなぁと思いました。

いや、あの注意書きがなければもっとうるさかったりするんだろうか。

 そんなことを思いながら美術館を後にして、次の目的地へ。

 

お次は南禅寺金地院。細見美術館からは歩いて15分ほどらしく

炎天下だったら何らか交通機関を使うところだけど、雨も止んで

曇り空、気温もそれほど高くなかったのでぶらぶらと歩いていくことに。

岡崎公園を抜けて、京都市美術館の前を通り、琵琶湖疎水を眺めながら

南禅寺方面へてくてくと。途中、懐石料理屋さんでそば定食で

昼食をとり、昼過ぎに金地院へ。このあたりは人通りも少なく

緑が多いので散歩にはちょうどよいですね。

↓は琵琶湖疎水記念館前の噴水?

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 南禅寺内にはレンガ作りの水道橋もあり、お寺巡り以外の京都の

楽しみも発見できました。このあたりはブラタモリの影響かな。

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 こちらは水道橋。ちょっとローマ時代の遺跡っぽい。

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琵琶湖から引かれた水が勢いよく流れてます。

そんなこんなを眺めつつ金地院へ。

長谷川等伯の猿がとにかく見たかったのですが、通常の拝観券とは別に

特別拝観券が必要(+700円)で入る時間も決められていました。

毎時30分に集合し、係りの人に案内されながら鑑賞します。

私たちが行ったときは、全員で6名ほどで中に入りました。

各部屋に襖絵や屏風があり、目の前30センチほどの近さで見ることができます。

当然ガラスケースなし。まず最初は狩野探幽の襖絵のあるお部屋。

すでに着色も落ち、下絵が見えている状態だけど、何より本物が

手に届く近さにあることに感激。下絵が見えていることすら貴重に思える。

そして廊下をさらに奥へ進み、茶席に連なる部屋へ。

こちらで長谷川等伯猿猴捉月図と老松図とご対面。

いやあ、これはほんとに素晴らしかったです。

写真などで見るのと間近で見るのとは全然違う!

毛並みはふわふわで表情は愛嬌があり、狩野永徳がこの猿を見て

嫉妬した(らしい。)のも納得。元々が宋の画家牧谿の「猿候図」を

手本にしているとのことで、同じように猿を描いている絵師はたくさんいますが

別格でした。堂々としているのに愛らしいというバランスが絶妙。

自然光の中で間近で見られる至福。これを見られただけで京都まで

来た甲斐がありました。

金地院、猿にばかり気を取られておりましたが実は他にも有名なものがたくさんあり

東照宮(天井画が狩野探幽、土佐光起による三十六歌仙あり)

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小堀遠州作庭の鶴亀の庭として有名な庭園

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同じく小堀遠州作の八窓席の茶室(こちらは写真撮影不可)、など見所満載。

お茶の世界と庭園は奥が深いと思い知ったのでした。

 

 

金地院を出るころは晴れ間が出てきて、雨はいったいどこへやら。

 

次に向かうのは智積院。地下鉄とバスを乗り継いで向かいました。

こちらは本堂その他は近年再建されたものが多く

目玉は体育館のような宝物殿に所蔵されている長谷川等伯一門の障壁画(国宝です!)

桜、楓、秋草、松、黄蜀葵(トロロアオイ)といったモチーフが描かれています。

キンキンに冷えた宝物殿に入るとスイッチがあり、押すと解説が流れます。

ガイドを省力化。まぁ、それほど多くの人は訪れないのかもしれませんが

国宝級の作品に四方を囲まれることもそうないと思うので贅沢な空間でした。

 

続いて、すぐ近くの養源院へ。

お隣は三十三間堂なのですが、そちらはスルー、

閉館ぎりぎりの時間に滑り込みました。お寺は閉まるのが早いのよねー。

 ここのお目当ては俵谷宗達の白象図だったのですが

延々説明されたのは、伏見城で自害した徳川家臣の霊を供養するために

移設されたという血天井。京都各地にあるようなのですが

こちらは鳥居元忠が自害した跡が見られることで有名らしい。

いろいろ調べると実は血天井が見られる場所として紹介されているものがほとんど。

白象や麒麟や唐獅子はおまけみたいな扱いでした。

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1日目、お寺を巡るのはここで終了。

最後は24時間いつでも参拝可能は伏見稲荷神社へ。

外国人人気観光地ランキング3年連続1位らしいので、

どんなことになっているのか見るために行くことに。

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すっかり快晴に!

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想像以上の外国人率が高く、しかも若い子が多い。

自撮り棒を持参しあちこちで写真を撮るので

人を入れずに写真を撮るのが至難の業。

雰囲気としては原宿とかに近い感じ。

これは夏休みシーズンだからなのかなぁ。

日本人の方が少なくて、気分的にはなぜかアウェーな感じ。

まぁ確かにフォトジェニックな場所だし、

SNSなどにアップしたときに映えるんでしょうねぇ。

 日本なのに海外にいるみたいな気分を味わって帰ってきました。

夜は適当に歩いていたら錦市場にたどり着いて

ふと見たら若冲の生家跡がありました。

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京都ってほんとにえらいとこだなぁと実感した次第。

1日目はこうして終了。

2日目は相国寺承天閣美術館といよいよ大徳寺聚光院へ。

いったんここで閉じます。

 

しつこく「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」

演劇

大阪千秋楽から1週間たちますが、まだまだゴーゴー熱は冷めず

というか悪化してるんじゃないかと思うほど。

都合4回見たけどわからない部分がたくさんあるので戯曲をAmazonでぽちり。

手元に届いた日から毎日読み返してます。

 

舞台も見るたびに印象が変わり、毎回これまで私は何を見ていたのか状態

だったので、戯曲を読めばもう少し理解できるのかと思ったんですが

今度は新たにト書きを読んで「あれ、そうなの?」と思うことが増えて

さらにずぶずぶと深みに嵌っています。

 

まだまだ考えまとまらないんですが、今回戯曲を買ってよかったと心底思ったのは

以下の一文を読んだときでした。

 

ミツコがオカザキに思わずしがみつくと上着がとれ、オカザキはトーイになる。

 

おお!そうなのか!と。

今回、岡田将生くんはゴーゴーボーイのトーイとミツコのマネージャーで

浮気相手となるオカザキの2役を演じており、

舞台上で衣装を変えてオカザキからトーイになるシーンが何度か出てきます。

これはその中の最初の場面。

ミツコの部屋でオカザキと抱き合ったあとに舞台が少し暗くなり

オカザキのメガネを外しシャツを脱ぎだぼだぼのズボンを履き

髪をくしゃくしゃっとしてトーイに早変わりします。

一瞬にしてオカザキからトーイへ変貌する岡田くんの姿に

ドキッとする印象的なシーンで、

見ているときは場面転換の演出上やっていることなのかなくらいに

思っていたのですが

文字ではっきりと「オカザキはトーイになる」と書かれていると

まるでオカザキとトーイは同じ人間のように思えてくるのです。

オカザキは東京、トーイはジャワンガスタンにいることになっているので

別人として存在しているのですが、同じ役割を担っている人物であることが

はっきりしたような気がします。

この作品が「夫婦の物語」であることが明確になる文章だと思いました。

パンフレットで松尾さんが「夫婦の話をきちんと正面から書いてみたい」と

おっしゃっていて、なるほどーと思いながらもピンと来ていなかったのですが

この文章ですっと腹落ちしました。

背中合わせにトーイとオカザキが立ち、二人を挟んで永野とミツコが向かい合ってる

ようなそんな絵が思い浮かびました。

トーイとオカザキは夫婦の「負債」(←戯曲のあとがきにあった表現です)

の象徴なんだと。

(後日追記)

シアターガイド8月号の松尾さんインタビューで「負債的なものの象徴として岡田君がいたら面白いと思ったんです。旦那の側には美しい少年として現れ、奥さんの方では俗っぽい不倫相手という二役で」と発言されていました。なんだ、そのまんまじゃないですか。もっと早く読んでおけばよかった…まぁ答え合わせができてよかったと思うことにします。恥ずかしいな。

 

途中でオカザキがオカザキじゃなくなっていくのはトーイの最期が近づきつつあり

夫婦の距離が縮まった表れなのかなと思いました。

 

これで核になる部分は理解できたような気がするんですが

枝葉の部分、特にトーイと永野についてはかなり深く生い茂っていて

なかなか全貌がつかめません。見えたかなと思っても

また違った部分が見えてきて…。もう少し時間がかかりそうです。

本日はとりあえずここまで。

 

 

 

 

ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン ~大阪編

演劇

「ゴーゴーボーイズゴーゴーヘブン」大阪公演(2016/8/4~8/13)最終日

行ってきましたよ。マチネとソワレの2本立て。

東京公演で消化しきれなくて迷ったけれど行ってよかった。

私はシアターコクーンで何を見ていたのか?と思うほど大阪で気づくことがたくさん。

もしかしたら演出も変えていたのかもしれないけど、それが比較できるほど

東京公演を覚えてないので、初回見たときと同様にただただ狼狽。

今回はトーイの変貌に気持ちが揺さぶられ過ぎてどうしてよいかわからない状態です。

 

以下、羅列。

 

最初登場したときは何もわからない怯えた少年。

初めて見るアンディー・ジャーの椅子に憧れ、ゴーゴーボーイズの中では

ドジっ子と言われながらも仲間に可愛がられる名前の通りおもちゃのような少年。

化粧を施され指名された永野の元に向かう姿はお人形のよう。

訪ねた部屋で永野とドアを開けて対面したときの破滅的な美しさに永野が

危険を犯してでも自分の元に呼びたい衝動にかられることが一瞬で理解できる。

灰のような雪が舞う中で永野と見つめあうトーイ。

見ているこちらは永野と完全にシンクロ、「狂ってしまう…」

という気持ちになります。

ここまでのトーイはまだおもちゃのまま。

拉致されて連れてこられた海辺の家で自分を殺しに来たパパジとアンノウンが

いることも知らず、永野と海から戻ってくるシーンでは生きることの楽しさを

感じ始めた男の子の顔に。

上半身裸でタオルを首にかけ短パン姿で笑いながら永野と連れ立っている姿に

退廃的なクラブ・コナジュースでおろおろしている少年の面影はありません。

そして永野に妻のミツコから電話がかかってきたと知ったときの悲しそうな表情。

トーイの気持ちが永野に傾いているとわかる。

人を殺してしまったと絶望している永野を包み込むように抱きしめるトーイ。

ゴーゴーボーイからの決別のために尻に埋め込まれたGPSを取り除いてくれと永野に

迫る様子にはおもちゃの面影はなく強い意志を見せる男性に。そして決意の口づけ。

 

拘束された部屋でヤギの血を貪る姿は無邪気なまでの残酷さ。

死に取りつかれているにも関わらず生への執着も見せ、永野とともに脱走。

海辺で永野とともに解放された喜びを表してるかと思えば

「いい知らせ」の「奥さんが生きている」という情報にふくれっ面。

ここで永野がトーイの頭をポンポンするのが切ない。

完全に恋人同士。

最後。「悪い知らせ」を「一緒に聞いてあげる。これを最後のデートだと思って」というトーイ。

「おもちゃに選んでくれてありがとう」

永野とともに過ごした三日間でおもちゃから人間になったトーイ。

愛の意味も知らなかったお人形のような少年が一人の男性として生きることを

教えてくれた永野の腕の中で果てる。ゴーゴーヘブン。

 

トーイの皮で作られたアンディ・ジャーの椅子を中心に永野とミツコが並んで

写真を撮るラストシーン。トーイを含めた3人で成立する愛の形。

トーイの愛が昇華した瞬間。

 

トーイの愛ばかりに目が行ってしまうのだけど、トーイの変化に気づくとオカザキとの

対比がより鮮やかになりました。

特に舞台上で一瞬にしていかにも今時な若者のオカザキからトーイに変わる瞬間。

オカザキの横分けデコ出しメガネ姿からメガネを外しうつむいて髪をくしゃくしゃっと

して顔をあげたらそこにはトーイが。

先ほど、トーイを含めた永野とミツコと三人の愛の形と言いましたが

裏にはオカザキの影も潜んでいます。

マネージャーとしてミツコを女優業から遠ざかっていたミツコの気持ちを揺さぶり

遠くジャワンガスタンまで同行してきたのは、おそらくは自分でも気づいていないけど

ミツコへの愛があったから。

オカザキが唐突に「月がきれいだ」と言い出し、本人に自覚はないけど

愛があることを示唆。

生々しい性欲ギラギラのオカザキだけど愛には気づいていない。

愛の告白を知らず知らずにしておきながら、ミツコに「愛って何だと思う?」

と聞かれて「犬が死んだときのような感情?」と返す無頓着ぶり。

オカザキに「背中を押されて」自分を取り戻したミツコが

最後に永野との愛を見つけるという結末。トーイの椅子を中心に。

 

以上、大阪まで来なければわからなかったこと。

ほんと来てよかった。

 

今はこの曲をただただ聴いてトーイの愛に浸っていたい。

https://www.youtube.com/watch?v=NGFToiLtXro

 トーイのいる天国はどんな場所だろう。

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 まとめも更新しています。

舞台「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」感想まとめ - Togetterまとめ

 

 

 

 

 

 

 

ポール・スミス展「HELLO MY NAME IS PAUL SMITH」

美術展

浮世絵展に続き上野の森美術館ポール・スミス展」へ。

何も考えずにふわっと向かったらまさかの入場列ができててびっくり。

15分程度でしたが、まさか並ぶと思わなかった。

中に入って納得。写真撮り放題なのと、展示品にそれぞれQRコードがついてて

自分のスマホで読み取って音声ガイドを聞くシステムなので、

人がたまっちゃうんですよね。なかなか流れていかない。

取り組みとしてはいいと思うのですが、一つ一つの展示品で読み取ると

時間もかかるし、動線も乱れるのでもう少しやり方変えた方がいいかも。

まず入ると最初のコーナーではポールが集めたアートの数々が展示されてます。

有名なアーティストの写真からファンから送られた作品やらポストカードなど

彼の感性に響いたものは有名無名問わずランダムに並べてあります。

実際にコベントガーデンの彼のオフィスに所蔵されているものだそう。

ポールのイマジネーションの一端を垣間見るようで楽しいです。

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ポールの最初に開いたお店と同じスペースの部屋があったり

実際の仕事部屋を再現した展示があったり

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これ運んでくるのも大変だなぁ。ひとつでもなくしたらえらいことになりそうだ。

アトリエの再現も楽しい。型紙が暖簾のようにつるしてあったり

実際にデザイナーやパタンナーの人が見たらわくわくするんだろうなと思いました。

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数々のコラボレーション作品も並んでいて、このローバーミニ

販売当初話題になったので記憶がありました。

ストライプかわいい!

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↓のエビアンは日本でも販売してほしいなぁと思ったり。瓶ほしい!

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一番混雑してたのが時計コーナー。ケースに陳列されていたので

絵巻物を見るかの如く並ばないの見えないのでここだけ行列ができてました。

時計ほしいなぁ。

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最後に過去のコレクションのお洋服がずらり。

美しい美しいテーラードジャケットやお馴染みの花柄モチーフの

ブラウスなどの数々。もうーうっとり。

 

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オートクチュールのようなゴージャスさはないけれども

リアルクローズと遊び心のバランスが絶妙で、クラフトマンシップ

守られていて、何より仕立ての良さが見ているだけでわかる。

クローゼットに何着かそろえておきたくなる洋服の一つです。

この展示会が混雑してるというのはファッション界にとっても喜ばしいことなのでは。

ファストファッションしかない世界はつまらないですからね。

ただグッズのTシャツのデザインが今いちだったのが残念。あれで6000円以上は

ないわー。

そこがよければもっと満足できたのにな。ちょっと残念でした。

 

怖い浮世絵展

美術展

東京は本日最高気温33℃だったそうで(体感的にはもっと熱く感じたけど)

暑さも真っ盛り!こういうときは美術館に逃げ込むに限る、ということで

夏らしい展示を開催している太田記念美術館に行ってきました。

妖怪や幽霊、無残絵・血みどろ絵などを集めた「怖い浮世絵」展。

江戸東京博物館でも大妖怪展が人気を集めてるように

夏休みにはうってつけ。

今回見たかったのは、妖怪絵よりも幕末から明治にかけて

活躍した絵師月岡芳年の無残絵。芳年は血まみれ芳年との異名を取り

スプラッター映画のような猟奇的な絵を多く残したことで知られています。

何度か展示会で見たことあり、あまりのグロさに驚きましたが

何故か目が離せず、吸い込まれるように見入ってしまうのですよね。

今回一番の血まみれ絵はこちら。「英名二十八衆句 直助権兵衛」

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ぐえぇ~というようなグロさ。顔の皮を剥いでるんですよー、恐ろしや。

こんなおぞましい絵をかいておきながら、別人のような絵も一方で書いてるんです。

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源氏物語の夕顔です。幻想的で美しいですね。血の匂いなんてどこにもない。

いや、幽霊だから血は通ってないのか。人気絵師はふり幅も大きい。

こちらもお気に入りの作品です。

あとは妖怪絵でも大人気の様々な土蜘蛛が描かれてましたが、芳年のこちらの土蜘蛛は

何だか愛らしくて好きです。

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その他、「平清盛炎焼病図」や「為朝誉十傑 白縫姫 崇徳院」など

おなじみのスターも登場していて怖くて楽しい展示会でした。

 

 

ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝

美術展

映画「秘密」を見たあと、すぐに帰るにはあまりに暑すぎるので

涼むために美術展に行きました。

パナソニック汐留ミュージアムで開催されている

ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」です。

今年は日伊国交樹立150周年とかで、各所でイタリアに関連する美術展が

開催されてますが、これもその一つ。

他のポンペイの遺跡やボッティチェリメディチ家の至宝に比べると

展示内容がかなり地味です。

建築に焦点をあててるので、建物をそのものを展示するわけにはいかず

設計図の草稿や完成後の銅版画がメインなので、派手さにはかけます。

私自身も建築に詳しいわけではないので

彫刻も絵だけじゃなくて、建築まで手掛けるなんて昔の人は多才ね、

くらいな感想にとどまってしまいました。

ルネサンスの頃は美術とか建築といった分野にわかれておらず

レオナルド・ダ・ビンチも飛行機の設計してたりするので

ミケランジェロが建物の設計してても不思議はないのですが

やること多すぎですよね。

しかも本人がやりたいと言ったわけではなくて、依頼主が

彫刻やるついでにこれもたててちょ、みたいな感じで言ってきて

必死に過去の文献あさって設計したりしてたみたいなので

無茶ぶりにもほどがあるし、それで建てちゃう方もすごいなと思いましたが。

そしていまだに残ってるのもすごいですよね。

地震や台風がない国ならでは。

 

見る側に素養ないので、ミケランジェロがすごいことはわかりましたが

あまり語るところのない展示会となってしまいました。

精進します。